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長谷部勇人「楽器の街(2日目)」

自作楽器の制作と発表を行っていると「演奏を行うミュージシャン」と「制作に尽くすルシアー(職人)」としての立ち位置に揺らぎが生じます。形態が面白い楽器を作るとドレミが弾けず、ドレミが演奏できるようにするには従来の楽器の構造を習わなければなりません。まぁ、僕の場合、演奏も制作もそんなに器用ではないので深い悩みに至るまでもないのですが…。

今日訪れた浜松市楽器博物館には、様々な種類や地域性でジャンル分けされた楽器が室内いっぱいに広がっています。例えば、現在の完成されたヴァイオリンの姿に至るまでの形や大きさの変化、民族楽器の装飾に見られる木をゴリゴリ彫った感、オリジナルが高額のためか中国の古琴は展示されていないなど、僕の場合そういったところに興味が持てました。

現在、当たり前のように見たり弾いたりしているギターですが、その前身にはリュートやウードという楽器があり、元をたどると中東のバルバッドという楽器にまで遡ることができます。これは中東から西に伝来した例ですが、一方で東に伝来した例では中国のピパ、そしてご存じの日本の琵琶があります。

つまり長い歴史の上ではギターと琵琶は親戚です。当然、それぞれが発展した地域の木材が使われます。琵琶には桑の木が使われているそうです。僕は龍山町のヒノキのように、国産の木材でギターを制作するプランを持っていますが、そうか、桑の木なら固くて乾燥による変形にも強そうだと思いました。昔のゴルフクラブに使われていたパーシモン(柿の木)も固いことが予想されるため、楽器に適しているかなぁ…と思いつきました。

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