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中村るつ「散策と」(4日目)

8時すぎに起床。昨日の買ったパンで朝食をすませる。服を洗うためコインランドリーに向かう。旅先では基本、靴下や下着などの細かい物は手洗いで済ませるのだが、Tシャツやズボンのようなかさばるものは機械にまかせる。洗濯を待っている間、前から行きたかったアサイミートへ行くことに。お目当てはここで売っている"川のりコロッケ"だ。ただ、先ほど朝食を食べたばかりでそこまでお腹が減っている訳でもない。ここから海岸も近いので海を見ながらゆっくり歩いて行こう、そう思い松崎海水浴場に立ち寄った。

この海水浴場は町の人々に好かれているようで、肌寒いこの時期でも誰かしらランニングしていたり、砂浜で散歩していた。そんな中、中年の女性が屈みながら砂浜で何かを拾っている。遠くから眺めていると、どうやら何かを探しているようだった。
気になったので散歩するふりをして女性に近づいていった。
「こんにちは、何しているんですか」
私がそう聞くと、さくら貝を拾っていると女性は答え、続けて
「ほら、今コロナで、田舎から出てった都会の人たちが帰省するの難しいでしょ。これをね、一緒に荷物に入れて送ってあげるのよ。そうすると懐かしがって喜んでくれるのよね。それで拾ってるの」
そう言って拾ったさくら貝を見せてくれた。

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拾った貝はその後、きれいにしてから送る
壊れやすいため繊細な作業が必要だ

午前中の潮が引いている時間を見計らい、拾いに来ているようだ。ただ、本人曰くこの時期の貝は小さく集めるのが難しいそうで、確かに見せてもらった貝は小さくとても薄かった。少しの力でも割れてしまう、そんなデリケートな貝だ。彼女はずっとさくら貝を探し回っていた。感激し少し泣きそうになる。気づくと私も一緒になって貝を拾っていた。

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なんか違うの拾いました
また拾いに行きたいと思う、さくら貝を

女性は先に帰るようで、私はありがとうございましたとお礼を言った。
ちょうどお腹もすきだしたので自分も貝拾いをやめ、アサイミートへ向かう。店内は混んでおり私が困惑していると、店主さんから声をかけてくれた。無事コロッケを注文することができ、念願の"川のりコロッケ"を購入、しかも揚げたてだ。磯の匂いが食欲をそそる。あまりにも美味しそうだったので写真を撮ることをすっかり忘れコロッケを頬張る。そんな訳で写真撮り忘れました。

今日もとても充実した日々をおくらせていただきました。今日の続きはまた明日書きたいと思います。

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