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中村るつ「好きなことをしろ」(6日目)

15日から滞在していたホテルをチェックアウトする。今日はゲストハウス・イトカワに宿泊するのだ。ホテルの駐車場に行き車に乗り込むと、観光協会の清水さんからメッセージが届いていたことに気づく。二日目の町内案内の時に見たリアルかかし、その制作者の岩谷さん、稲葉さん、そして元役場職員の森さんが依田邸にいるとメッセージが届いている。これは行くしかない、今から伺いますと返信し待ち合わせ場所へ急いだ。

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旧依田邸へ

10分ほど車を走らせると旧依田邸へ到着。どうやら隣に温泉もあるらしい、素晴らしいじゃないか。そう思いながらルンルンで邸宅へ入っていく。立派な表門をくぐり玄関へ。土間にテーブルと椅子が置いてあり、ここを管理されている方だろうか、椅子に座っている男性と目があった。
「こちらに観光協会の清水さんはいらっしゃいますか」
と私が聞くと
「いやー、ここには来てないよ。多分役場の方の依田邸じゃないかな」
男性はそう答えた。
役場の方って、私はそっちから来た。完全に場所を間違えた。一瞬戸惑ったが、私は動じない。前にも似たような事をやらしたから。
清水さんに連絡、事情を説明し謝る。どうやら松崎町には依田四郎邸と旧依田邸があるらしく、私は旧依田邸に来てしまったのだ。惜しかった、そう思う事にし来た道を戻る。

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こちらが依田四郎邸。空き家を松崎町の方でお手入れし、週末喫茶店として解放している。

無事、依田四郎邸へ到着。謝る私をみなさんはにこやかに迎えてくれた。

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リアルかかしアーティストの稲葉さん(左)と岩谷さん(右)

松崎町のリアルかかしアーティストに会えて嬉しかった。過去に作ったかかしのお話しや写真を見せてもらう事ができた。中には幻になってしまった聖火リレーのかかしの写真もあった。
稲葉さんはUターンで横浜からこちらに戻ってきたそうだ。みんなで話している時、他のお客さんがお庭でうろうろしていると稲葉さん自ら声をかけ、案内をかってでていた。岩谷さんは昔から松崎町に住んでいらっしゃる。ご自宅の一室を開けておき、町に戻って寝るところがない人のためにと空き部屋を用意している。お庭が気になるようで、お話しが終わるとすぐ、自身で作った枝箒でお庭を綺麗にしていた。二人ともとてもハキハキしていて常に動き回っていた。

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こけだまをつくっている渡辺さん。
こけだまお手入れ中。

週末この依田四郎邸は"浜丁"という名前でカフェを開いており、自然とみんながこの場所に集まってくるそうだ。私のような外からきた人間にも丁寧に案内をしてくれた。

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集まったみなさんと。めっちゃかっこいい。

松崎町の人はみんなそれぞれ色々な肩書きをもっている。リアルかかしアーティスト、さつま揚げ屋さんで動物かかし骨組みのスペシャリスト。漁師でこけだま作家で、まちづくりの協議会会長の方も!一人で何役もこなしている方が沢山いた。みんな楽しそうに自分たちの事を教えてくれる。好きだから、楽しいからやっているんだ、そう生き生き話してくれた。エネルギーの交差が激しい。
この町で初日に感じた"いい気分"の片鱗をみれた気がした。

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