奥野晃士「楽寿園」(5日目:その2)

三島には駅前に楽寿園という
大きな公園がある、

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入園料は三百円

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これは幕末戊辰戦争や明治10年の西南戦争で活躍された
小松宮様の別邸として有名であるが

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李氏朝鮮の王子李垠殿下と梨本宮方子様の
日朝のプリンスとプリンセスのゴールデンカップルが住まわれたことは
あまり知られていない。

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そういえば昨年の旅行の地域共通クーポンで
山形、福島、新潟の三県共通クーポンというのがあったそうだが​


まさに戊辰戦争の時に新政府軍に争って攻め込まれた過去を持つ三県の連合であるが、
明治時代徳川家が治め、幕臣が退去して移住させられた歴史を持つ静岡県民としては、
ぶっちゃけ維新150年の2018年、鹿児島、山口、高知、佐賀が連携した
薩長土肥連合キャンペーンよりも好感が持てる。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000035835.html



紅葉が美しい楽寿園を散策していると

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ご婦人の団体から「彰義隊だよねー」
と声をかけられる。

正しくは戊辰戦争の時の薩摩の将校がイメージなのであるが、
細かいことはさておき
一緒に写真をとってほしいとせがまれたのは
悪い気はしない。


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こちらの四人づれのご婦人さんたちは
千葉の市川市から来られた方で、
昨日は戸田に泊まったとのこと。


戸田といえばロシアのプチャーチン一行の船が
安政の大地震で壊れてしまったので、
全国から選りすぐりの船大工や造船技師を集めて
日本初の西洋式の船を戸田で建造し
無事ロシアに送り届けたという歴史をもつ。
いつかプーチン大統領に訪れてほしい場所である。


15時からズームでテレビ静岡の会議室で開かれる
クラークシンポジウムのミーティングがあったので
その前に園内に設置されてる郷土資料館に行った。

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縄文時代からの出土品や三島の歴史がわかりやすく展示されており
思ってたより楽しめた。

事務所にご挨拶、

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MAWの趣旨を説明し、館長さんに三島の歴史について
色々話を伺った。

三嶋大社についての話や、河川工事の時の人柱の話など
知られていないが、面白そうな話を色々伺えた。


それらの逸話を知ることができる本はないかと訊ねたら

いろいろ興味深い本も案内してくれたのでゲット❗️

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特に研究報告は

江川坦庵研究で有名な橋本先生や

韮山高校の桜井校長の論文が載っており興味深く拝見した。

職員さん達も快く撮影に応じてくださる。

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15時からのzoomミーティングは

もちろん楽寿園の青空の下で行う。

静岡大学の平野雅彦先生や今野喜和人先生
テレビ静岡の新名さん、

そしてプロテスタントの中村牧師という
なかなか個性的な面々。

紅葉舞う楽寿園の椅子に座ってタブレットで会議に参加してると
観光客が遠巻きに眺めながら通り過ぎる。

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明治初期に静岡は徳川家によって治められ、
勝海舟は静岡に静岡学問所を、沼津には沼津兵学校を作ることにした。
そこにはエドワード・ワーレン・クラークという
アメリカ人教師がお雇い外国人として呼び寄せられわけだが
静岡で学生の教育に情熱を燃やし、明治のキリスト教文化普及の大きな流れの一つである
静岡バンドの走りでもあった。


結局、中央集権を目論む明治政府の方針で
学問所は学生も教師も静岡に持っていかれ、
開成学校から東大への流れになるのであるが、
クラークは最後まで静岡に踏みとどまろうとしたそうだ。

イベントの細かい進行などについては細かいツッコミどころは色々あったが、

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結局は形式的な要素が半分の会議なので
要は中心の今野先生のやりたいようにやっていただくしかない形なので、
あまり細かいことを申し上げるのは控えることにした。

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大学の先生など
アカデミズムの世界にいる方々の知識は素晴らしい。
しかし明治時代の難局を乗り切った明治の元勲達は
江戸時代の教育を身につけていた。

しかし西洋式の学問を急速に取り入れた教養のある方々は
大脳の知識はものすごいが、
所詮は生まれてから60年とか70年しか経っていない情報の蓄積に過ぎない。


しかし、我々演劇人が鍛えないといけないのは
もっとさらに脳の奥の部分である

私は野生脳と呼んでいるが
これらは人類が蓄積してきた5億年以上の記憶が脈々と受け継がれている。

文明脳と野生脳の有効活用こそ、
舞台芸術家の大きなテーマであり、
現代社会においても求められる要素は実はこの辺りにあるように思う。

夜は関根さんの高校時代のお友達のお店に、


vacanza
https://goo.gl/maps/3nKujBMxc3pppei9A

店長の真野さんの作るオリジナルカクテルは絶品でした。


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三島の粋人が集結

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関根旅人(左)と山森ホスト(右)

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