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藤原佳奈「このまちを、鏡として(4日目)」

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4日目。もう4日目。あっという間だ。
今日は朝から、長八記念館を、館長の本多さんに案内してもらった。
長八は、松崎町生まれの左官の名工。若くして才能を開花させ、漆喰を使った絵や、作品を多く残した人。この龍の天井画は、黒く墨で描いた龍に、ところどころ薄く白い漆喰が使われている。

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そんな長八が生まれた場所、とあって、松崎町には漆喰鏝絵(こてえ)このコンクールがあり、地域の左官職人の方が、漆喰で自分の作品を創っている。倉庫いっぱいに漆喰絵を飾ってある、中村さんのところへもお邪魔した。
漆喰絵を創る鏝(こて)は、様々なサイズのものがあるのだけど、「道具は自分で作る」という中村さんの言葉が残った。

18伊那下神社

その後、伊那下神社の中を案内してもらった。
宝物殿には、文化財が所狭しと展示されていてる。この写真にある額も、山岡鐵舟の書を長八が漆喰で仕上げたもの。かっこいい。

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お昼は、こころのうな玉重。2日目の交流会の時に、地域おこし協力隊の方が作った松崎を紹介する映像を観せていただいて、このお店のランチのうな玉は必ず食べよう、と思っていた。

18時おガイド

午後から、ジオガイドの渡辺さんに案内していただき、室岩洞へ。
伊豆半島はもともと、海底に沈む火山群だった。
室岩洞は、火山灰が海底の中で堆積し、長い時間をかけ石になったもの。石を切り出す場所として昭和29年まで操業していたらしい。

かつての海底、目の前にある石は、灰が石になるまでの時間を携えている。
一回目の室岩洞訪問の時には感じることができなかった、大きな時間のことを思った。

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洞窟の中でも、光りがあるところに、植物は育つ。

18ジオ2

火山の根っこが冷えてできた、烏帽子山を紹介してもらう。
火山は、大きな圧がかかって、その圧が外れたときに、ボンッとエネルギーが生まれる。そして、その大きな力は、冷えて固まっても、こうして残る。

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18違和

ここは、弁天島。海底で噴火した火山の溶岩が、海に急速に冷やされ、バラバラに砕けた状態で固まっている石。

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そして、こんな岩場に“ウバメガシ”という植物が根を張っていた。岩の隙間へ隙間へと、根を伸ばしていくらしい。強い。ウバメガシは成長が遅いらしいけど、この強さを見ると、速さが強さじゃないよな、と思った。

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弁天島からの夕日は、美しかった。

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普段のリサーチだったら、もう少し目的があったり、仕事の依頼を受けての応答だったり、何か手がかりがあるけれど、今回は何もない状態でやってきた。
何に心が動くかを感じて、松崎町が鏡となって、自分の興味を発見していく時間を過ごしている気がする。
宿に帰ってから、今日感動したことについて、反芻していた。

火山が噴火する、そこに起こる物理的な力のこと、
時間がたつほどに石は固く強くなること、
樋で水を逃がすこと、
光合成があれば緑は育つこと、
岩場の隙間に根をはること、
軽石の繊維は細かいこと、
かつての海底を、今は生きているということ、

この世界にはどんな動きがあるのか、どんな動きの中で私は今生きているのか。大きく、興味は、時間についてなんだな、と気が付いた。
昨日発見した、むすぶ、というのも、時間の話だと思った。

興味は、立ち止まって触ってみないと、自分自身に騙されて流れていってしまうことがよくある。

この数日間でも、大きな発見がいくつもあった。

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夜は、久遠さんでお寿司を食べた。絶品でした。



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