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高嶋敏展「焼津と小泉八雲」(焼津市2日目)

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焼津滞在2日目。僕が焼津に来た目的は小泉八雲。僕は小泉八雲に写真家にしてもらったようなもの。小泉八雲についてご存じない方もいるだろうから簡単に説明するとギリシャ生まれの文筆家。代表作は『怪談』『知られぬ日本の面影』『怪談』のなかの「雪女」や「耳なし芳一」は知ってる人が多いんじゃないかな。
八雲は日本に来て最初、島根県の松江市で英語教師をやった。それから、熊本、神戸、東京へと居を移す。
焼津は都会嫌いの小泉八雲が毎年のように避暑に訪れていた場所。
魚屋の二階に寝泊まりして、毎日海水浴を楽しんだ。
一応、ギリシャの生まれた家までは行ったのでゆかりの地を順番に撮影するのをライフワークにしようかなと思っている。
焼津はいつでも行けるからと油断していたらコロナの時代が来てしまった。
今回のマイクロワーケーションの応募を見つけた時はこんな偶然があるのかと疑った。何もなくても来るつもりだったけれど、どうせなら何かあった方が面白い。
さて、今日の午前中はフリー。
情報収集からと思い、駅に向かう。
いきなり足湯の看板に立ち止まるが、残念なことにお湯が抜いてある。
こんなところにも影響があるんだな。
まずは駅に行ってマップか何か拾ってみよう。
今回のような面白い旅でネットで情報を探すような雑なことはやりたくないな。

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しかし、いきなりの挫折。
まあ、こんな日もあるさ。

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と、思ったら駅にちゃんとパンフが置いてあった。
助かる。

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そして駅から下をのぞくと焼津市観光協会。
なるほど、駅のインフォはやめてもいいかな。
レンタサイクルとか借りてみようかな。

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中に入ると焼津グッズがきちんとコーナーになってる。
感動だ。

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八雲のラムネを売っていた。
ラムネを買って子ども達に配ったとかそんなエピソードがあった気がする。
松江時代に親友の西田千太郎への手土産にラムネを2本というのがあったっけ。
ビールもウィルキンソンの炭酸水も八雲は飲んでいた。
意外と炭酸好きだったのではないかな。

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右も左もわからないのでとりあえず、スタッフの人に声をかけて八雲の足跡を教えてもらう。
焼津観光協会の仁藤里見さん丁寧に対応してくれてありがとうございました。

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駅前に記念碑があった。
奥のパチンコ店のレリーフに見覚えがあって一緒に撮ってみた。
えーとボッティチェリの『春』の部分だと思うけど確証がない。あとで一緒にワーケーションに来ている佐藤さんに聞いてみよう。

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焼津ならまず海だ。
「海が見えた、海が見える
五年振りに見る尾道の海はなつかしい」
と生まれてはじめて見る焼津に海に林芙美子の「放浪記」の一節を口ずさむ。

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船だ。そう言えば昨夜、トリナスの土肥さんが焼津は第五福竜丸が停泊した第三の被爆地と言われていると教えてくれた。
画家のベン・シャーンの「ラッキードラゴン」を大学生の時に見た。
作品で社会に問いを投げかけるということを初めて意識したと思う。

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焼津で小泉八雲が滞在した家の跡地。
この家の前あたりまで海岸だったそうだが、今は埋め立てられて風景は様変わりしている。八雲が感動した風景のほとんどが残っていない。
こいつは意外と手強いぞ。
焼津の難しさをいささか感じる2日目でした。


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