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タノタイガ「ケッカオーライ」(4日目)

今日の午前中のイベントは釣り。息子は東京出発前から楽しみにしていたので多少風が強くて寒くても、青空が広がっているのでやってみることにしました。

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事前にホストから情報を得ていた港の釣具屋さん「安貞丸」に竿を借りにいくと、気のよい女将さんが対応してくれました。「小アジとが釣れますかね?」と尋ねると「そんなもんどころか何も釣れないよ!風も強いし。釣れたとしたって小っっっちゃな食べれないような魚。ほら、だれも釣りしてないでしょ?」と半ば嘲笑気味に堤防の方を指さしました。さすがに息子と一緒に固まります。でもまぁ釣りをしたという思い出のためにやってみることに。釣れないからやらない、ということからは何も始まりようがありません。息子に「やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ。」と岡本太郎の言葉をかりながら士気を高めます。

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店先のいつから放置されているかわからない長竿や、カチンコチンのオキアミやバケツを借りて少し離れた堤防まで行き、糸を垂らします。息子は砂遊びのように撒き餌を楽しんでいますが、何もかかりません。寒空のもと1時間ぐらいたった頃にようやく一匹かかり、二人で手を合わせて歓喜しました。針に餌を付けなおして息子と交代してみるとすぐさまヒット。交互に釣って1時間ほどで7匹釣ったところで、劣化している竿の糸が切れたので終了しました。小さなキビナゴでしたが親子で大満足。魚が食いついたウキの沈みにうまく合わせて竿を引く一丁前な姿に頼もしさを感じ、ちょっと感動しました。

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赤燈に戻って生きたままのキビナゴを冷蔵庫に突っ込んで、一服しながら少し仕事をこなしたあと、どうしても気になっていた「稲取ダイビングセンター」へ向かってみることにしました。伊豆半島といえば関東から至近のダイビングスポット。冬の海は透明度が高く視界もよいのでこのチャンスに潜りたいと密かに画策していたのです。

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ダイビングセンターの北奥さんは今回のホストSo-anの荒武さんとも知り合いらしく、施設内を親切丁寧に案内してくれました。ここのトレーニングダイビングプールは珍しく温水で、関東のPADIインストラクター講習のほとんどはここで行われているそうです。

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センター前の海ではネコザメなど大物も見れるらしく、明日の午前中に潜りたいと意気込んだのですが…10歳以下の子どもは保護者同伴でなければ待機させてもらえないとのことで断念せざるを得ませんでした。...実はここ稲取で一番やりたかったことだったかもしれません。

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ダイビングセンター前、志津摩海岸遊歩道沿いの岩場で一遊びして戻り、息子に何がしたいかと尋ねると、少し黙ったあとに「やっぱりワニが見たい」と言い出しました。

そうだよな、約束したもんな。
実は昨日の黒根温泉のあとに、MAWアーティストの「バナナワニ園へ行ってみたい」の一言で、一度は入口まで行き車を停めたものの、閉館までの時間が迫っていることなどから明日また出直そうということになっていたのですが、今朝になって急に予定をキャンセルされてしまったため、また今度来たときにしようと諦めさせていました。とは言え、息子は昨晩ベットに入ってからも、朝起きて寝ぼけながらも「お姉さんとワニが見れる」と心から楽しみにしていたので、一度火をつけてしまった幼心を考えれば、やはり責任をとってあげなければなりません。
「ヨシ、じゃあいくぞ!すぐに支度!」と号令をかけると、急いで上着を着て僕より先に玄関で靴を履いて待っています。

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車を飛ばしてワニに対面すると大興奮している。無理して来てあげて良かった。僕自身、今回のMAW滞在では文化施設以外の伊豆半島に蔓延るいわゆる観光客施設は避けるつもりでいたのですが、うれしそうな横顔を見ていると結局、俗っぽくてもまぁいいか、という気分になってしまいます。散々付き合わせてるもんな。

2時間ほどかけて、ワニや亀やウーパールーパーや温室の草木を食事も忘れて堪能したので、帰り道に近くのレストランで金目鯛の塩焼き(安くておいしい)を頂いて帰路につきました。

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帰ってからも、もうひとイベントが待ち受けています。昼間に釣ってきたキビナゴを新鮮なうちに成仏してあげなければなりません。ひとまず観察し、二人で小魚の腹を割いて内臓をしぼり出し、ビニール袋に入れた塩と小麦粉とパン粉でモミモミしてキビナゴのフライを作ります。滞在場所の赤燈のキッチンは本当にありがたい。

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自分で釣り上げたときにはピチピチと活きが良く「飼いたい」と言っていた魚を調理し食べることに少し躊躇していましたが、食いしん坊の息子は結局、晩酌用の僕の分け前までペロリと平らげてしまいました。

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いろいろと結果オーライな一日でした。

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