本間純「見えない石」　熱海（3日目）

熱海の中張窪石丁場から切り出された石は、江戸城を築城するためにこの海岸から船で運ばれた。
干潮の時だけ当時の石積み突堤跡と、船から落ちたという二つの巨石が姿を現す。
巨石は双子のように向かいあっていて、とても姿がよい。
昨年夏に伊豆山の土石流災害が発生した。甚大な被害は記憶に新しい。
その時出た大量の土砂を使って、この遺跡がまもなく埋め立てられるという話をきいてショックを受けた。
こうやって過去の痕跡は見えなくなっていくのか。
住民からは保存を求める声が上がっていると聞いて当然だと思った。
再び訪れて、是非また双子石が見てみたい。