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冬木 遼太郎 「潮の香りがしない」 焼津市 滞在(2日目)

2日目

※関係者からの要望により、本記事は一部削除等の修正を行いました(3/11)

朝9時半に図書館さんかくへ集合予定。今回のワーケーションで滞在する旅人同士の顔合わせに行く。今日もまた30分ほど市内を散策してから、時間通りにさんかくに到着。予定より1時間遅れで顔合わせをし、全員で軽いフィールドワークに出向くことになる。さんかくを出て、3人一緒に北東の港の方を目指す。

歩きながら、雑草の話をする。もう一人の旅人である カトウマキ さんはボタニカル・アートというジャンルで、主に雑草の絵を描かれているとのことで、一緒に歩いているとこちらも自然と道に生えている草花に目がいく。カトウさん曰く、「雑草(ざっそう)」という言葉の学術的な定義はないらしい。一般的な定義としては、「人に望まれないところに生えている植物」ということになると言う。昨日はじめて知り合ったので、自分はカトウさんの絵を拝見したことはないのだけれど、その雑草という対象の選び方がとても良いと感じた。

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カトウさん@港

名付けられることによって付与される効果、というものがある。名付けられることによって、人はその名前を認識し、自分自身を指し示すものとして自覚させられる。例えば、「女の子だからもっとおしとやかにしなさい」と母親に言われて育った人は、「自分は女の子なのだから、過度に活発な行動は慎まなければいけない」と考えるようになっていく。“女の子、女性”と名付けられ、その名称を付与されるたびに、自分自身がその名称自体になっていく。

話を雑草に戻すと、カトウさんの言う雑草は、単なる「いらないもの・余計なもの」では最早ない。それは、綺麗だから売り物として販売されている一般的な花や、ツル科の植物のように道具として加工できる強度を持っているわけでもない。つまり有用性とは切り離されている、もともとは無価値とされているものであるが、それを描くことで、価値ある美しさを持っていると表明している。

雑草という無価値な対象に美しさを見出し、描くこと。それは、名付けることはまた異なる行為遂行的(パフォーマティブ)な行動であると思う。

カトウさん

カトウさんwith雑草


出汁

このあたりで昨日の日誌でも書いた、出汁の匂いの空気がまた漂ってきた。

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港から西へ、瀬戸川沿いを歩いていく。鵜の群れとかもめの群れが、お互いの領域に重ならないように集まっている。時折、かもめの群れは飛び立ち、かなり人の近くまで飛んでくる。定期的に少しずつ場所を移動しているように見える。

かもめ

一旦さんかくへ戻り、土肥さんの車で小川漁港へ行く。焼津市の漁港は北の方から焼津、小川(こがわ)、大井川の順になっていて、それぞれ扱っている魚の種類が違うらしい。焼津はカツオやマグロといった遠洋のもの、小川はサバなど近海の魚、大井川はサクラエビやシラスを主に取り扱っている。お昼ご飯はそのまま漁港の中にある、小川港魚河岸食堂に食べに行った。

魚河岸

食券をおばちゃんに渡すと、プラスチックの番号札を渡してくれる。番号を呼ばれて取りに行くのだが、お刺身や丼もの、揚げもの類、カレーなどでそれぞれ場所が分かれていて、学食を思い出す。地元の人や漁港内で働かれている方が日常的に来ているらしく、注文した海鮮丼は本当に美味しかった。土肥さんが「カツオのへそフライ」なるものを一緒に注文してくれていて、初めて食べてみる。カツオの心臓らしいが、とてもとても美味しい。お昼なのにビールが飲みたくなる。

食堂


お店を出て正面にあった避難施設に登る。今日もまた快晴で風が心地良い。昨日も感じたことだが、焼津は海の近くでも、いわゆる潮の匂いがない。自分がよく知っている地域だと、兵庫の須磨や大阪の泉南、和歌山の白浜など、そういった海は最寄りの駅に降り立った時点でもう潮の香りがしているのだが、焼津は近くに海が見えていても全然しないのだ。調べてみると、そういった潮のにおいは、海藻や海中のプランクトンから生じる物質が原因であるらしい。推察するに、プランクトンは日光が届く浅瀬のエリアに多く発生する。それは日本の浜の多くが緑色になっていることからもよくわかる。が、昨日ぎんちゃんが言っていたように、駿河湾は浅瀬の部分が少なく、水深が急に深くなっているため光が届きにくい。結果的にプランクトンも少なく、潮の香りもあまりしないのだろう。

小川漁港

小川の漁港、正面奥に富士山が見える

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スーパーマーケットには地域色が出るのが常なので、土肥さんに頼んで「田子重(たごじゅう)」という焼津発祥のスーパーで降ろしてもらう。しばらく店内を散策してみる。カツオやマグロなどはもちろん値段もお手頃で、新鮮で美味しそうで種類も豊富だったが、総体的にものすごく意表を突かれるようなものとは出会えなかった。

ねぎ

そのなかでも初めて見た感があったのが、この岩津ねぎ天ぷら

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帰りに焼津神社に立ち寄り帰路につく。結構な距離を歩いた1日。

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