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Ash 熱海4日め 「待つ身、待たせる身」

3.16 (水)(熱海でのMAW4日目の記録)

このへんからの時間の感覚が一気に変わってくる。
街の空気に慣れるというのか。
肌感が違ってくると、時間の過ぎ方がまず、変わる。具体的には、じっくりとものを書くことに向き合う時間がなくなる。
そこに集中すれば良いのだが、短い一週間の滞在の中でインプットをしながらアウトプットをするのは、まあ、無理だ。

というわけで、リアルタイム更新をあっさり諦めた。

(のちのち完成させていくシステムにするので、よろしくお願いしますw という言い訳だった)

言い訳が得意な作家、映えあるベスト1はもちろん、太宰だろう。
(異論は受け付ける。)
劇団を主催していた時分には「走れメロス」をレパートリーにしていた。
その、走れメロスを書いたきっかけとなった宿が、私の滞在しているナギサウラからすぐ近くにあった。

太宰のエピソードについては、サライのこの記事あたりが読みやすく面白いので気になる人は呼んで欲しい。

ま、太宰に限らず、この街は多くの文豪に愛された街で、その理由の一つには粋筋が存在していることもあったろう。

いつか、熱海芸者の一人芝居を書きたいという構想があるので、見番をお尋ねして芸妓組合の長をつとめる西川さん(松千代姉さん)に話を聞いた。

見番というのは、置屋組合のことですが、芸者さんたちがお稽古する場もこちらにあり、熱海の見番では「花の舞」という催しもあり、毎週日曜日にこちらで踊りを披露してくれます。(現在はまん延防止措置のため、休止中でした)

「少女の頃に熱海に越してきてね、この道70年。その頃は本当に熱海が元気な頃で、お行儀も何もお稽古する暇もなくて、仕事しながら覚えて行ったものよ。半玉(舞妓)のころ、大きな会社の社長さんに丘の上に連れて行ってもらって街を見下ろしたら、端から端まで小さな明かりがキラキラ輝いていて、まさに百万ドルの夜景だった。なんていいところに来たんだろう、って胸が熱くなったのをよく覚えています。熱海が大好き、本当にいいところなのよ」

(松千代姉さんと、美保さんありがとうございます。あとのお話は戯曲にするためにとっておきます。)

松千代姉さんの映画があるそうで、こちらのYoutubeでティーザーが見られます。

4日目も盛りだくさんなので、まだ書きたいことがありますが、いったんここらで終了。あとで追記します。


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