見出し画像

豊永純子「根をはる女性の力(5日目)」

おはようございます。3月5日、蒲原滞在も5日目。「燕之宿」で迎える初めての朝です。
宿主の大澤さんが掃除しに来られていて、少しお話することができました。
大澤さんのご出身は長崎県の壱岐(いき)島。豊永の父の出身も同じであることを伝え、ひと盛り上がり。
ぜひまた、壱岐のこと話しましょう!

画像1

朝ごはんは、ザ・和風。
昨日スーパーで少し良い梅干しを買っておいたのです。

午前中に向かったのは「旧五十嵐歯科医院」です。

画像2

鮮やかなうすあお色で、お洒落な洋館風の外観。
中はというと・・・

画像57

この通り、超和風です!
歯科の名医・五十嵐準氏が、大正3年にお家を3回にわたって改築して、ここで歯医者さんを開業されたそうです。
お家は綺麗に清掃・管理され、ふらりと立ち寄る一般の方でも中を見学したり展示を観ることができます。

画像3

そんな素晴らしい「旧五十嵐歯科医院」にて、それまた素晴らしいお二人からお話を伺うことがでしました!
「燕之宿」の大澤さんからご紹介いただいた、片瀬信江さん(NPO法人 旧五十嵐邸を考える会)吉田ふみこさん(蒲原宿まちなみの会)です。
蒲原に滞在中の山本さんと豊永へ、蒲原宿の歴史や魅力、まちづくりの活動内容をお話しいただきました。

ここ蒲原には、なんと多い時で旅籠(はたご:旅館)が48軒も並んだそうです!その数を聞くと、大賑わいのまちなみが容易にイメージできます。東海道を行き交う旅人を長い間支えて来た蒲原宿には、逸話や面白エピソードがたくさんあります。
片瀬さんと吉田さんのお話を伺って、おふたりがそういった「地域の物語」をとても大事にされていることが伝わってきました。

画像55

こういった小冊子もいただきました。
手に取りやすいA5サイズでそれぞれ95ページ・74ページあり、とにかく充実の内容です。

『旧五十嵐邸物語Ⅱ』を開くと、「NPO法人 旧五十嵐邸を考える会」の理念や活動内容、年表、いつどんな視察団の訪問を受け入れたか、イベントの経緯や年ごとの様子、会の定款などなど・・・完全保存版です!蒲原で見かけたら、ぜひ入手してほしい一冊です。
巻末に会員の顔写真とひとことメッセージが書かれているのですが、圧倒的な女性数!そしてみなさま良い笑顔。冊子の隅々まで行き届いた細やかな配慮は、こうした女性の活躍によるものなのかもしれません。

『蒲原宿の楽しい暮らし』は「蒲原宿まちなみの会」が発行する全ページカラーの、これまた魅力あふれる一冊。

画像56

目次を見るだけで、もうワクワクが止まりません!!
各ページが「タイトル・写真・短い文章」で構成されて、数えたら全部で71個の蒲原の魅力が語られています。写真も良いし、これまた文章も良いんです!
お役所的な硬い文ではなく、人の体温を感じられるような、あたたかな視線で蒲原の暮らしが書き出されています。語感も良く、声に出して読みたくなるような文章。これ、片瀬さんが書かれたそうです。て、天才?!
各家庭へ配布されたと伺いましたが、私としては全国に配布した方が良いのではないかと本気で思います。国語や道徳の授業のテキストとか・・?まずは静岡市の小中学生全員へ配布してみてはいかがでしょうか?静岡市行政のみなさまご検討ください。

この冊子に関して「蒲原のいいとこ探しの集大成」「楽しみながら作った」と目を輝かせて語るお二人の生き生きしたお姿にも、心打たれました。

「蒲原の良さをこどもたちへ伝えていき、長い目でみて何か心に残るものがあれば良い。
私たちが死んじゃってから成果が出てもいいじゃん!」
と陽気に言い放つ片瀬さん。
1時間半ほど、吉田さんと片瀬さんからさまざまな事を教えていただきました。

画像5

旧五十嵐邸では、季節展として江戸時代から昭和までの雛人形が飾られています。

画像6

画像7

2階の歯医者さんへ水を上げるポンプがついた、立派な井戸。

画像8

画像9

田中光顕氏!!

画像10

こちらが歯医者さんの部分。ここだけ見ると洋館ですよね。

画像11

画像12

わー。これで何人の歯が抜かれたでしょうか!

画像13

この歯は作り物ですよね...?
拾った歯から始まる壮大な人間ドラマ・・とか、勝手に妄想しながら展示を楽しみました。

画像14

まさに和洋折衷。きれいに手入れされて建物も喜んでると思います。
片瀬さん、吉田さん。貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました!

午前中だけですでに胸いっぱい!お天気も良いし、今日は自分の身体で蒲原に触れてみよう。

画像15

やっと行けました神社!
寺社仏閣大好きなのですが、なかなか時間を作れなかったんですよね〜。ようやく鳥居をくぐることが出来ました。

画像16

なっがーーーい階段を登り、ひざガクガク。

画像17

「若宮神社」

画像18

お次は「八坂神社」

画像19

陽が傾く前に行きたい場所があるのです。
「のんびりぼーっとできる所ありますか?」と聞いて、大澤さんに教えていただいた「ある場所」へ向けて、入山します。

画像20

道が崩れてちょっと危ないみたいです。通行可の道を選んで進みます。

画像21

少し歩けばもうこんなに標高が上がります。

画像22

若宮神社の階段でダメージをくらった足腰をムチ打って・・どんどん進みます。

画像23

「さくらつりばし」が現れました!1ヶ月後くらいは満開の桜に囲まれるのかな?

画像24

けっこう立派な橋!だけども吊り橋なので揺れます。まあまあ高いし、落ちたら大怪我どころではないかもしれない。

画像25

木板も隙間があって、ちょっと割れてるところもあったりして・・・

画像57

ガタガタ震えながら、ひとけの無い山で、ひとりへっぴり腰で吊り橋を渡りました。

画像26

渡りきったご褒美は、これ!真奈美さんにいただいた手作りパン!!!
ひと口かじって、あまりの美味しさに森の中で叫びました。私が食べた塩バターパンの中で、一番美味しい!蒲原でパンの常識が塗りかえられていく。

画像27

どんどん進むと竹林もありました。

画像28

ひとつめの目的地「御殿山広場」に到着。

画像29

双眼鏡で民家を覗き見。よく見えました。

画像30

かなり画になるロケーション!

画像31

強風の中、しばらくここで腰掛けてボーっとしてました。ここ、かなりおすすめスポットです。

画像32

そこからまたしばらく山を登り、着きました!最終目的地「狼煙(のろし)場」

画像33

「今川氏により築かれた蒲原城の狼煙をあげていた場所と言われています。 ここからは、富士山、愛鷹山、伊豆半島まで見渡すことができます。」とのこと。
よし、登りますよ!

画像34

ご覧ください!遠くはかすんじゃって、広場にいる幸せそうな家族しか見えません(涙)

画像35

失意の私を待っていたのは、めっちゃ怖い丸太の梯子。登る時も怖かったのですが、くだりは格別ですね...。でも降りなきゃどうしようもないので、よちよち時間をかけて降りました。

画像36

生還のご褒美は、やっぱり真奈美さんのパン!中にクリームチーズがたっぷり詰まっていて感動しました!

画像37

蒲原の通りで無人販売されていたタトゥー入りのミカンも食べました。

画像38

富士山・・・富士さんですよね?
せっかく静岡来たので、見たいなぁ・・すんごい富士山。

画像39

トイレは扉が閉まらず、手洗い場の水も出ません。。狼煙場ってあまり訪ねる人いないのでしょうか?

画像40

帰り道、かっこいい大木を発見。
興奮して15分くらい写真撮ったり寄っかかったり観察したりしてました!以下、しばらく木の写真が続きますので、ご興味ない方はスクロールしてってください。

画像41

岩を包み込むように根がはってます。

画像42

かっけー!

画像43

めちゃくちゃかっけー!!

画像44

好き!

画像45

ステキ!!

画像46

かっこよすぎたので、記念にツーショットも撮りました!
見た感じ明らかにスピリチュアルツリーなのに、説明書きなど一切ないですね。樹齢いくつぐらいでしょうか。かなりの大木です。

画像47

名残惜しいけど、また来るよ!

画像48

あの恐怖の吊り橋をもう一度。

画像49

行きよりは平気でした。

画像50

画像51

さて、まちへ降りて来ました。
のんびりと蒲原の自然を感じたり、高台からぼーっと眺めたり、良い木に巡り会えたので超満足です!

次に向かったのは「蒲原図書館」。

画像52

大型紙芝居を書庫から出していただいたのですが・・圧倒的な大きさに驚き!なんと90cm×90cmです。

著作権の問題で撮影はできませんが、こちら蒲原のお話をモチーフに作られた手描きの巨大紙芝居です。絵もとってもいい感じ。
図書館の「紙芝居講座」で受講生の皆さまが1年かけて作ったもの。利用者カードがあれば、この巨大紙芝居をレンタルすることができます。拍子木も貸してもらえるそうです。

いやはや、本日も充実。蒲原って魅力的な人やものが本当に多いですね!

運動もしたし、今夜はカレーでも食べに行こうかな〜と思っていたところへ、「燕之宿」へ新規宿泊者が。
「さくらえびを食べたい」とのことなので、一緒におすすめの例のお店へ行きました!

画像54

魅力あふれる女将さんがいて絶品さくらえび料理が食べられる「鮨処やましち」!
私は「しずまえ丼」を注文。生しらす、生さくらえび、さらに駿河湾の鮮魚がのった最高に贅沢などんぶりです。めっっちゃ美味しいですよ。
静岡市で獲れる美味しいお魚がのっているので、江戸前をもじって「しずまえ」なのです!

美味しい海鮮丼をいただきながら、さっき会ったばかりで初めましてのリアル旅人さんと、いろんなお話をしました。
すごいんですよ!大学1年生、19歳の市川さん
なんと東京の日本橋をスタートして、ここまで7日間かけて歩いてこられたのです!さらにこれからも東海道を進み、実家がある愛知県まで行かれる予定だそうで。「え?なんで電車乗らないの?」って思わず聞いてしまいました。
今は大学もほとんどリモート授業。気持ちも沈んでしまい、これじゃ嫌だと変化や刺激を求めた結果、好きなもの(散歩と実家)を掛け合わせてこの一大プロジェクトをはじめたのです。来る日も来る日も歩くため、精神的にも肉体的にもきついけれど、毎日達成感があって楽しいのだと教えてくれました。

これからの進路のことなど話を聞けば聞くほど感心しちゃって、ひとまわり以上歳上にも関わらず、市川さんから大事なことを教えてもらった気がします。

画像53

30秒でも時間がずれたら、一緒に夕飯食べて語り合うことは無かったと思います。偶然とは思えないご縁に感謝!
市川さん、引き続き愛知県まで徒歩の旅がんばってね。そしてその後も続く人生を共に楽しみましょう!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?