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きらり、と白い光を残して1等星が落ちていく。星座の端でぶら下がっていた星はたった今に軸を抜け、定められた座標から雫のように零れていった。 届きもしない手を伸ばす。しかと抱きしめ、守りたかった。守らなければいけない星だ。この手のひらも身体も翼もそのためにある。 春の宵闇、全天21あるはずの1等星が空からひとつ、姿を消した。 それを追いかけ、星廻りの天使がひとり、消息を絶つ。 次に目覚めた部屋の中は、決して明るいわけではなかった。窓枠には何枚もの木の板がぴったり打