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大人の旅のしおりを作りました

※この記事は2016年9月6日に公開したものを加筆、修正したものです。


「そうだ、旅のしおりを作ろう」

ふとそんなことを思い立ち、旅のしおりを作ることにしました。
小学校や中学の修学旅行出発前に、皆さんきっと旅のしおりを作ったことと思います。
あの頃のわくわく感をそのままに、大人になった今だからこそできる「大人の旅のしおり」を感想を踏まえつつご紹介します。

今回の旅概要

「旅に行きたいから旅のしおりを作ろう!」ではなく「旅のしおりを作りたいから旅に行こう!」となった今回。
友人に声をかけてみたところ、二人の友人(Yちゃん、Tちゃん)がこのしおり旅行に付き合ってくれました。

三人の仕事の都合上、宿泊は難しく日帰り旅行に決定。
丁度紫陽花が見頃の時期だったので箱根か鎌倉が候補に挙がり、Tちゃんの「『青い花』の聖地を巡りたい」の発言で鎌倉旅行となりました。

作成手順

  1. ページ構成の確定

  2. Photoshopを使い、B6(ページ原寸大)で各頁データ作成

  3. Photoshopで新規B5横データ作成し、B6のデータを貼りつけ、PDFで保存

  4. USBメモリーにデータを入れ、印刷屋さん(キンコーズさん)で出力

  5. ホッチキスで中綴じ製本し、クリアケースに入れて完成

ちなみに総ページ数は表紙まわり4ページ込みで全16ページです(但し遊び紙は含めません)。
印字の綺麗なしおりを目指していたので今回は完全にパソコン利用でしたが、手書きなら1部作って必要部数コピーするのも良さそうです。

利用したもの

データ作成:Adobe Photoshop CC 2015
本文フォント:はれのそら明朝Regular

表紙:玉しきあられ100kg
本文用紙:新鳥の子90kg
遊び紙:DXカラートレス95g
表紙カバー:共栄プラスチックさんの「ダブルクリーンソフトケース B6判用
印刷:キンコーズさん

写真は「私的利用のための複製」に当たると判断し、インターネット上の写真を利用させていただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。

しおり作成項目(ページ)

今回の旅のしおりで作成したページをデータ画像の一部を添えながらご紹介。

スケジュール

時間、場所(ルート)、行き方のざっくりスケジュール。ついでに各場所の営業時間や住所も記載。

時間に余裕をもちすぎて作成時、「ここでこんな時間潰せるかな……」と不安になった長谷寺は紫陽花待ちで1時間以上留まることになり、思いの外丁度よくスケジュール通りに動けました。
それでも空き時間ができてしまった場合は【散策】のワードで万事解決です。
散策時間に生シラス丼を食べ、鶴岡八幡宮にお参りし、鳩と戯れ、お土産屋さん巡りと大変充実した時間となりました。

地図

廻る場所全体の大まかなマップ。みんな大好きGoogle先生のお力をお借りしました!
スケジュールに組み込まれている行先にはマークを付けておきました。
印刷サイズの関係上、細道は載せられなかったのですがスマホでなんとかなります。なりました。

行先の豆知識や歴史調査

中学生の頃に作った修学旅行のしおりで拝観予定の寺社仏閣の所縁を調べたことを思い出し、作成しました。
いつ建てられて、どんなことがあったのか……等々。インターネットに情報が溢れているので、検索したことを自分の言葉でまとめます。
今回は「青い花」の所縁スポットを巡る聖地巡礼旅行でもあったので、作品の紹介、作中での登場場面説明等も入れました。

このページに関しては私だけでなく、一緒に行く友人たちにも協力してもらいました。
元々文字書き友人たちなので快く引き受けてくれて大変感謝しております。この場を借りてありがとうふたりとも!
文章だけだと味気なくなってしまうので画像も入れつつ。贅沢に用紙にもこだわるカラー印刷にしたので立派な同人誌になりました本当にありがとうございます!!!

調べることで詳しくなりますし、愛着も湧きます。画像でもお分かりいただけるように結構な文字数があるので待ち時間の読み物としても大活躍しました。
早々に力尽きるYちゃん、「青い花」への愛が溢れるTちゃん、見開き一文目が「プリンの話をしよう。」から始まる私……文章でもその人の個性や人柄が出るのでそういう意味でも面白く読めました。

気になるお土産一覧

気になるお土産をピックアップして載せてみました。
各お土産名、お店、写真と一言紹介。
ここでQRコードを併せて載せておくと最低限のスペースで最大限の情報を詰め込めて大分いい感じでした。

実は調べるまで「クルミッ子」を知らなかったのですが、鎌倉の地でお店を見つけ、折角だからと買ってみてその場で食べてみたところ想像以上に美味しく、Tちゃんはそのまま自宅用に購入してました。
もし調べていなかったらお店の前を通っても気にすることなく通り過ぎていたことでしょう。事前調査ほんっとうに大切ですね……!

寄せ書きページ

寄せ書き用の白紙ページ。旅行日前日にペンを持参してもらう連絡を忘れずに。
最後のお店、ミルクホールさんでお料理を待ちつつお互いのしおりに書き込み、書かれた内容を見つつ追記したりしてすごく盛り上がりました!寄せ書きページおすすめです!

クリアポケット

行った先の入場券やレシートを綺麗なまま残しておくために。
今回はクリアポケットとしてのページは作成せず、裏表紙のクリアカバーに洋封筒を挟み、出し入れと保存のしやすさを考慮しました。

おまけ:作らなかった項目

作るべきか迷った末、作らなかった項目をご紹介。

  • 持ち物リスト

  • 緊急連絡先

  • 旅行テーマ

  • ドレスコード

今回は日帰り旅行で、尚且つしおりは現地で渡すことになっていたので持ち物リストは不要と判断。実際に困った場面は特にありませんでした。
緊急連絡先も泊りがけなら宿の連絡先を載せておいたら良さそうです。お互いの個人情報は国内日帰り旅行ではデメリットの方が大きいためこちらも載せず。
テーマに関しては旅行が決まってから頻繁に会うことも出来なかったので話し合う機会がなく、私の独断で決めるのも違う気がしたので使わず。(参考を見ていても「怪我なくはしゃぐ!」みたいな感じだったのでそれなら常に実行できているから今更……というのもありました笑)
ドレスコードはギリギリまで迷いましたが直前になればなるほど言い出しにくくなりますね!ワンポイントでもお揃いのものを身に着けたり服装テーマを決めたらもっと楽しい旅行になりそう!次回は必ずドレスコード取り入れます。

反省点と良かった点

しおりを作ったことに後悔はありません!
しかし何分初めての作成だったので次回に活かせる反省点と、今回やってよかったなという良い点を備忘録的にまとめておきます。

×企画者のスケジュールがカツカツ

私のことです。
友人ページ数を見ながら、最終的に私の文章量でページ数を調整したかったので順序は間違っていないはずでしたがそれにしてもギリギリすぎて……イベント前のペーパー作成かな……?
この点に関しては自分の〆切日も設けて追い詰めていくのが一番かなと。間に合ったからいいものを大分危なかったですまったくもう!

×データファイルを大きくしすぎた

キンコーズさんのデータ読み込みでとても時間がかかりましてですね……!
全てのB6データを1つのB5データにレイヤーとして貼り付け、最終的に7つのPDFデータを作成したところ、1枚60MB超えのデータとなりました。読み込み時間かかって当然ですよ!
印刷時にB5サイズのデータの容量を小さくしたいので、ファイル数が増えてもレイヤーを少なくしていけばいいのかな……。
今回ならB5データ1=B6レイヤー14にしていたところを、B5データ7=B6レイヤー2にすればこの件は解決しそうです。

×最後の最後で製本(中綴じ)失敗

出発日の朝にキンコーズさんで印刷しまして、ページ構成は合っている、あとはホッチキスで留めるだけ!となったときに針を通したいところまでホッチキスが届かなかったのが大誤算でした。
元々ご自由にどうぞと置いてあるホッチキスを使っていたのが中々上手くいかず、カウンターの方に大きいホッチキスがあるか訊いてお借りしたものの、まだ長さが足りなくて……。
綺麗に印刷できていたのに無理矢理ホッチキスをしたがばかりに折れ目がついてしまったのが無念でなりません。

ダイソーさんで中綴じ製本に大活躍する「まわるホッチキス」なるものがあるとTちゃんに勧められ、次回旅行時のしおり作成で使用したところ、こちらの問題は難なく解決しました。

×下敷き必要

寄せ書きコーナーを作成し、カフェで各々のしおりを交換して思い出を振り返りつつ記入しました。
事前に「ペンを持参」を伝えて持ってきてもらったので書くこと自体には困らなかったのですが、後ろのページまで筆圧で筆跡が残ってしまいました。
そこまで大きい下敷きではなくても、しおりのサイズ以下の下敷きを用意したら良かったかなと思います。

○細部までこだわれた

自己満足になりますがほんっとうに色々こだわったんですよ!!
WEBデザイナー時代にDTPの仕事をしたことがなかったので、「労力を極力かけず、見やすいしおりはどんな本だろう」とガイドブックを参考にしてみたり、印刷の用紙にもこだわりたくて大型文具屋さんで片っ端から紙を比較してみたり、外で臆することなくしおりを見ることができるよう表紙に趣味を押し出しすぎないようにしてみたり……。
詳しく書くときりがないので箇条書きでまとめます。

  • 鞄の中に入れやすいB6サイズ

  • 鞄の中でぐちゃぐちゃにならないよう透明カバーで折れず濡れず綺麗なままに

  • コピー本らしく遊び紙を入れて

  • 「青い花」単行本表紙フォントカラーと近い色(#00589d)をしおり表紙を始めとするフォントのワンポイントカラーとして使用

  • 各担当カラーを決め、本文上部飾りラインをそれぞれの担当カラーで作成

  • ページ作成に時間がかかりすぎないよう、三段組テンプレートを使いまわし

  • お土産ページの各詳細をQRコードを利用

  • 裏表紙をワンポイントの青い花しか入れなかったのは後々現像した写真を挟み込めるようにするため

恐らくTちゃんYちゃんはこのブログを見ることで「えっそうだったの!?」としおりを見返すことでしょう。
ラインや写真スペースは特に説明していないのであまり気付いてもらえてなさそうです笑
それを狙ってました笑

○より盛り上がる旅行に

ページ構成は私一人で行いましたが、内容に関しては友人たちも協力してくれたので、本当に同人誌みたいに盛り上がりました。
ちょっとした空き時間に読み物として読んでみたり、行先の歴史に関してしおりで学んだり、ただ周るだけでない濃い時間を過ごせました。

○旅を思い出しやすい

しおりを読むと、「この場所でこんなことあったな」としおりに書いてある以上のことを思い出せます。
鎌倉文学館の薔薇園のしおり箇所でどんな薔薇の種類があるか、という記載だけでも、薔薇を紹介するプレートが薔薇の名前と合わない書体を使っていたためにずっとツッコミっぱなしだったことや、萩原朔太郎の特別展示で飾られていた写真の幻の三人目は誰だったのか等、三人でしかわからないような共通の思い出が蘇ります。
しおりがフックになっていつもの旅行以上に事細かに思い出せています。あー楽しかったな!!!!

まとめ

2016年って何年前です?……7年前!?!?

旅行日前日の夜中に「これ本当に出発までにデータ完成するかな……」と思いながらパソコンに向かっていたときは本当にツラかったのですが、当日朝にぎりぎりで印刷して、本にしたときの喜びは一入です。
友人に渡したときに「思ってた旅のしおりと違う!!」と作った甲斐のある反応をしてくれたので余計にテンション上がりました。その反応すごく嬉しかった!!

昨今ではカメラやスマホで写真を撮ることも多いと思います。
写真を見ながら思い出話に花を咲かせるのは勿論楽しいですが、今回「旅のしおり」を作ってみて、自作しおりがあればより旅行が楽しめる!と確信しました。
写真よりもしおりの方がそのときの記憶や感情を詳細に思い出せます。
作っているときには楽しい:ツライ=5:5のシビアな感情でしたが、旅のしおりを渡してから解散するまでは間違いなく楽しい:つまらない=10:0でした。

これから気持ちと時間に余裕があるときには、また旅のしおりをお供に旅行をしたいです。
色々工夫を凝らして、協力して、大好きな人と一緒に行く旅行は最高ですよ!!!

参考にさせていただいたサイト様

出発前に始まる旅の楽しみーコラージュ作家・永岡綾さんに聞く“旅のしおり”の作り方 | ことりっぷ

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