『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』これから観る友人への予習用に、資料を作りました【ネタバレなし】

先日、久々に宝塚観劇をするという友人を連れて、「ディミトリ 」を見てきたのですが、その際、「歴史や地理や用語がわからず、ついていけなかった」という超絶残念な感想をいただいてしまったので、(作中で結構丁寧に紹介してくれはいるのですが、、)
次に一緒にいく友人には、ぜひともなんとか楽しんでもらいたい!
地名や歴史がわからないという理由で、作品を楽しめないなんてもったいない!!
と思い、ネタバレなしで、事前に知っていたほうが見やすそうな情報をまとめてみることにしました。

いつ

13世紀(1201年〜1300年)頃、日本が鎌倉時代とかの頃の中央アジアの国ジョージアを舞台としたお話です。
史実をベースにしたフィクションの小説「斜陽の国のルスダン」が原作。
登場人物は、なんとほぼ全員、実在の人物だそうです!

どこで

今回の作品に出てくる国は4つあります。

まずは、作品の舞台となる国、「ジョージア」
ヨーロッパとアジアの中心に位置する、キリスト教国です。

ヒロインである王女ルスダンが生まれ育った国で、
物語の冒頭では、ルスダンの兄、ギオルギ王(私の御贔屓。超絶かっこいいので是非ご注目ください)が治めるています。
首都は「トビリシ」。ヨーロッパとアジアの中間に位置し、古くはシルクロードの要衝で、13世紀頃は「農夫は貴族のよう、貴族は王族のよう、王族は国王のよう」と言われるほどに、誰もが富み栄えた都でした。
※冒頭でふれた友人は「トビリシ」を地名ではなく「飛び石」だと思い込みストーリーを追えなくなったそうです。。。(そんなぁ!
なのでぜひ頭の片隅に置いておいてください。
トビリシはジョージアの首都。地名です!

次に、ジョージアに隣接するイスラム国「ルームセルジューク」
(上の地図は現在のものなので載っていませんが)
主人公であるディミトリ は、ルームセルジュークの王子なのですが、隣国ジョージアとの和平関係のために、幼い頃に人質としてジョージアに送られ、ヒロインであるルスダンと共に育つことになります。
(徳川家康が幼少の頃に今川家に人質に出されたり、江戸時代に各藩の大名の妻子が参勤交代で江戸に住まわされていたのと似たようなイメージです。身内がいる国には攻め込まないだろう。という国同士の政治的な事情で王族の子供が異国に送り込まれるのですね)
ジョージアはキリスト教国なので、イスラム教徒だったディミトリはキリスト教徒に改宗して、ディミトリ というキリスト教の名前をもらい、ジョージアで暮らすことになったのです。
(この辺は劇中でちゃんと描かれてるので、ふんわり抑えておけば大丈夫です)
ちなみに、ルームセルジュークの王様エルズレム公(ディミトリ の父上)のキャラが濃くて面白いので(特に結婚式の場面など)余力があればぜひご注目ください。

そして「モンゴル」
チンギスハンが勢力を拡大している時代。
日本を侵略しようとした「元寇」の少し前、アジアや東ヨーロッパに領土を拡大していた頃の出来事です。
ジョージアもチンギスハン率いるモンゴル軍に侵略されそうになり、ギオルギ王(もう一度いいますが私のご贔屓。かっこいい)が先陣を切って、国を守るために戦います。
モンゴル軍とジョージア軍の戦いの場面、素晴らしくかっこいいのでぜひご注目ください!
日本ではなかなか観ることのできない、ジョージアンダンスの振りが超絶かっこいいです!ギオルギ様が血を吐きそうなほどかっこいいのでぜひ観てください!!

最後に「ホラズム」
こちらはジョージアよりも先にモンゴルに攻め込まれ、滅ぼされたイスラム教国
国(領土)を奪われ、国王も殺されてしまったけど、ホラズムの王子であるジャラルッディーンが生き延びて帝王となり、ジョージアの豊かな土地を我が物にしようと考え、なんやかんやの末に(ネタバレを防ぐため略)、ジョージアと戦いを始めます。
イスラム教国つながりで、ディミトリ が生まれたルームセルジュークとは友好関係があります。

超絶どうでもいい話ですが、高校生の頃、世界史で「ホラズム・シャー朝」という言葉を覚えた記憶だけはあるのですが、その際「勝俣シャー!ホラズムシャー!」と無理やり暗記したという記憶しか残っておらず、場所やどんな歴史があった国なのかを、今回改めてようやく知ることができました。受験勉強って本当にアレですね。。

そのほか


ここまでで、大体主な人物は登場した気がしますが。
そのほかで、設定などでうっすら頭に入れておくとよいかと思う情報を書いておきます。

王配(おうはい)
女性が王になる(女王)場合、その配偶者が王配という立場となり、王配殿下と呼ばれて、女王と共に共同統治を行う権力を持つはずなのですが……。

イサニ王宮
ジョージアの都、トビリシの中にある王宮。
ルスダンもディミトリも、そしてギオルギ王様も、みんなここで暮らしていました。
トビリシとかイサニとか耳慣れない地名が並びますが、「パリにあるベルサイユ宮殿」みたいなニュアンスですね。多分。
ちなみに、王宮の庭に大きなリラの花のセットがあるのですが、飛び出す絵本のようにぱぁっと花が開くように作られた、演出家さんこだわりのセットで、美しい物語の幕開けを感じられるとても素敵なものなので、こちらもぜひ見ていただけましたらと!

トビリシ10万人の殉教
劇中で、かなり生々しく描かれる場面。これも史実です。
住人の大半がキリスト教徒であるトビリシを、イスラム教国であるホラズムが占拠し、イスラム教への改宗を迫って聖画を並べた橋の上を歩かせ、拒んだ者を処刑したというもの。日本でも隠れキリシタン弾圧のために踏み絵が行われましたが、その規模を遥かに超える、10万人が殉教したと言われています。

キリスト教国とイスラム教国
さっきも書きましたが、ジョージアはキリスト教国、ホラズムとルームセルジュークはイスラム教国です。
このベースを知っていたほうがストーリーを追いやすいと思いますが、難しく考えなくても、服装で大体目星がつきます。(ターバンを巻いているのはイスラム教国の人)
異なる宗教の男女が結婚する場合、片方が改宗しないといけない。みたいな決まりがあったようです。

宰相(イヴァネ・ザカリアン)と副宰相(アヴァク・ザカリアン)
国王を支える宰相と副宰相は、実在する人物で親子です。
(親子で宰相と副宰相? と現代日本で考えると??ですが、彼らが実の親子なのは史実のようです。世界史、奥が深い)
宰相のイヴァネは、ギオルギ様とルスダンの母上(タマラ女王)の代から代々国に仕える優しいお爺ちゃま。その息子であるアヴァクは、ギオルギ王を敬愛しすぎて、ギオルギが可愛がっていたディミトリ にオラオラした感情を抱きます。
アヴァクに激重な感情をぶつけられるギオルギ様がいかに素敵で皆から慕われる存在だったかが、よくよく伝わってきますね。
一応、もう一度書いておきますが、ギオルギ様は私のご贔屓です。かっこいいのでぜひ観てください!!

以上、ざざっと、先日一緒に観劇した友人が、わからなかった。。と言っていた箇所をメインに書いてみました。
耳慣れない地名や、和平のための人質、王配、イスラム教国とキリスト教国、などの背景を知っておくと、より楽しめるかと思います!

学生時代、3ヶ月で世界史を投げ出した私が、超絶浅い知識で書いたので、危うい箇所もあるやもですが、ご参考になれば幸いです!


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