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幻視の世界エピソード1を短く読む

幻視の世界の二つめのエピソードから読む読者むけにプロローグを除く第2話から第15話まで始まりのエピソードのあらすじを記します。

(あらすじ)
中央アジアウリグシク共和国の歴史学者ユースフ・アリシェロフ教授は世界史に於いて圧倒的な戦力をもつ軍隊が何らかの理由で敗走した事例を研究している。彼はまた幅広い知識や推理力で、謎解きを行うオンラインのコンピュータゲーム魔境伝説でのチャンピオンという別の側面も持っていた。

ある日、ユースフの許にイギリス人のジョン・ボイドと名乗る人物の訪問を受けた。ボイドは魔境伝説を主宰するイギリスの会社コンビの社員で、ユースフに十三世紀の元寇でのモンゴル帝国軍敗退理由の謎解きを依頼する。コンビはある組織Xのオーダーを受け、魔境伝説で優秀な成績を収めた者に最終兵器創出に繋がるような世界の謎の解明を依頼していると言う。ボイドはユースフにモンゴル帝国軍の日本海での敗走の謎を、その実証実験も行った上で解くように言う。その賞金は百万ドルで、ユースはこの謎解きを引き受ける。

ユースフはウリグシクの高原の遺跡を調査し、自らが子供の時に高原で遭遇したスーパーセルという強烈な竜巻の発生がモンゴル帝国軍敗退の原因との仮説を立てる。その検証のため、研究室に簡易な実験設備を作りスーパーセルの発生を試みたが、大学の電気供給装置が壊れるというアクシデントで実験は失敗に終わる。

ボイドはユースフに謎解きを続ける条件として、やはり魔境伝説で好成績を上げている日本の女子大生のアドバイスを受けるよう促す。ユースフは不治の病から昏睡状態となっている一人息子のジンの治療費捻出のためその提案を受ける。

謎解きの依頼を受けた日本の女子大学生ピジョンこと篠原ミカは、スーパーセル説を否定し、ある薬物の作用で兵士や船乗りたちに起こった幻想でモンゴル帝国軍が敗走したという仮説を唱える。それは戦いに参加していた船乗りや、兵士達が魔物を恐怖するあまり、薬物の効果と相まって引き起こされた集団催眠状態下で、操船を誤ったため船が沈没し敗走したというものであった。

ユースフはこの仮説を実証するため、自らの身体で実証実験をすることにした。自らウリグシクの古文書にある赤い花の根から採取、精製した薬剤を準備して実験に臨むと、ボイドはロンドンの古道具屋で購入したという板にはめ込まれた鏡を持って現れ、一緒に人体実験を行うと申し出た。

ユースフとボイドはボイドが持参した鏡の前で薬剤を服用。やがてユースフの意識の中に研究室を去った秘書のローラ、死んだはずの父、妻、そして元気な姿の息子のジンの幻想が現れる。父はボイドに話かけボイドは子供の頃にユースフと父が遭遇したスーパーセルから父が助け出したイギリス人の子供であったことがわかる。

やがてユースフは研究室で以前失敗した実験に使った水槽の中で小さなスーパーセルが発生し、それが研究室内で暴れ回り、部屋の内部を滅茶苦茶に破壊するのを見る。同じ頃、現実に大学の外で激しい竜巻が起こり、大学の外側、内側を壊し始める。その時、研究室に篠原ミカと北悟志が現れる。ミカはユースフとボイドの前に置かれた鏡が幻想をコントロールしていることに気が付き二人の前に置かれた鏡を閉じて幻想を終わらせる。

ユースフは病院のベッドで、あの恐ろしい幻想にはもう近寄らないようにしようと誓う。その時、ユースフのベッドに本当に昏睡状態から回復したジンが姿を見せる。

ウリグシクで激しい竜巻が起こった頃、何かの因果関係があるのか、博多湾激しい竜巻が発生した。それは、ユースフの思いが幻想となり現実化したかのようなものであった。

(おわり)

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