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雪が降る頃になると思い出す猫がいる ずいぶん前の、冬の初まりの頃のことだ。 朝、いつものようにダイニングの掃き出し窓を開けると、何か右下に動きがある。縁先に置いた使わなくなった犬小屋から、ひょいっと顔を出すものがいた。 なに? え、猫? 顔が、、、南方の鳥のような、オウムとかオオハシ鳥のように見えた。異形だ。 離れた丸い小さな目が見上げている。 黒白ブチ猫のようだが、額のあたりに大きな赤い固まりがあった。 交通事故にあったのか? 血は流れていないようで、時間が経