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Neupert Harpsichord Bach


楽器の名称は正確にはこうです。




私の使用しているモダンチェンバロはノイペルト社のNeupert Harpsichord Bachです。

ノイペルトの歴史を調べてみました。JC ノイペルト(Johann Christoph Neupert  1842〜1921)が大工の見習い、ピアノ製作を学び、ドイツ国内外のピアノ製造会社で働き、1868 年にミュンヒベルクに自分のピアノ工場を設立しました。
1900年頃は事業が拡大し、子や孫の代もそして今現在まで続いています。


ノイペルトはピアノ製作でも多くの演奏家を魅了しています。コンサートグランドピアノを演奏したピアニストには、マックス・レーガー、エリー・ナイ、ヴァルター・ギーゼキング、ヴィルヘルム・ケンプ、アウグスト・シュミット=リンドナー、エドウィン・フィッシャー、ヴィルヘルム・バックハウス、リヒャルト・シュターブなどがいます。  

現在も製造販売されています。


JC ノイペルトは歴史的な鍵盤楽器の熱心なコレクターでした。300 点を超える展示品からなる「ノイペルト ピアノ ヒストリカル コレクション」があり、このコレクションを基に、ノイペルトは1906年以降、チェンバロ、スピネット、クラヴィコード、フォルテピアノを製作しました。これにより、同社はドイツ最大の会社となり、現在チェンバロ製作に携わる工房の中では世界最古の会社となりました。

ノイペルト社は長い鍵盤製作の技術と歴史的楽器の研究の基礎があり、その上で1906年に自社オリジナルのモダンチェンバロを製作し始めました。モダンチェンバロの輝かしい歴史の時代に活躍したわけです。

よく言われる、爪の問題。
元々、歴史的チェンバロの爪は大からすの羽の軸を丸い穴に詰め、斜めに削って使用したり、実際私が使った例では水牛の皮を四角く切って、弦が当たる部分を舐めしたもので作っていました。
しかし、耐久性に問題があり、徐々にプラスティックの爪に変わっていきました。
これも私も皮の爪からプラスティックに変えた経験があります。その劇的な安定感にはびっくり。あの梅雨時の絶望的なこと。アロンアルファーを塗ったら今日はもう練習できない件。そんなことをやっていました。

ノイペルトのHPによると今は要望があればカラスの羽の軸もできるようですね。
当然ですが、バロック音楽ファンのみならず、古楽器を弾いてみたい、その音を聞いてみたい、はもう失われてしまった楽器や演奏に対する「憧れ」で、それを探していくことはとても大切な研究です。


すごいYoutube見つけてしまった。拝借します。

通常、デルリン クイル (プラスチック素材) を使用します。このクイルの音生成特性は、歴史的楽器のカラス クイルに非常に似ています。デルリン クイルは、長い耐久性を保証します。ご要望に応じて、カラス クイルや革のプレクトラを楽器に取り付けることもできます。柔らかく温かみのある音を奏でます。(ノイペルトHP)

今はどこに行っても存在するチェンバロです。特に日本は全国にあるのではないでしょうか?珍しい国ですよね。豊富に楽器があるとなれば、次にはよりバロック時代の実像に迫っていけるわけです。楽器の爪の問題は蹇々囂々、論争の的ですが、大手メーカーでは時代の要求に沿って、このような取り組みも行われています。
ノイペルト愛好者としては是非、このノイペルト社の取り組みの楽器を弾いてみたいものです。
バンベルグはちょっと遠いけど。。。。。。。



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