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加納木魂さんのリュート

名古屋の加納木魂さんにリュートを作ってもらったのはもう40年ほど前のこと。
オランダ留学から帰国した菊地雅樹さんの紹介でした。
加納木魂さんはギター、リュート、テオルボなどの世界的製作家です。
ギター族の楽器には縁がなかった私ですが、名古屋の工房にお邪魔し、加納さんの楽器の美しさや加納さんのお人柄にすっかり魅了され、弾けもしないのに注文してしまいました。
少し、菊地先生に習うこともいたしましたが、今は芸術品を持っている感覚ですっかり弾くことは忘れていました。

リュート奏者の菊地雅樹さんについていつかまとめなくてはと思っています。私がチェンバロを始めた頃、すでにオランダのデン・ハーグで学び、帰国。広くコンサート活動や指導をされていました。オランダの前はスイス、バーゼルスコラカントルムで学び、当時のお話は夢のようでした。何故かというと当時は空前のバロックブームの最中で、レオンハルトやクイケン兄弟は神のような存在でした。少なくとも私にとってヨーロッパの本場でその方たちの音楽を直接聴くことできたとはうらやましくて、菊地さんについて歩いたようなものです。ときめく古楽のメッカで名だたる演奏かたちに混じって学び、コンサート活動をされていた菊地さんでした。
学生であった私はレオンハルト、クイケン兄弟、オイゲン・ミュラー ドンボア、ブリュッヘン氏などの話を聞くともう夢のようでした。
確かドンボア氏の弟子で、バッハやヴァイスの作品をよく弾いていらした。
その後、研究所を始められ、チェンバロでお手伝いさせていただいたり、何度もコンサートでご一緒し、とても勉強をさせていただきました。

一昨年、オルガンでFrobergerを弾くにあたり、「Monsieur Blancheroche」について調べていて、リューティストであったBlancherocheのことを教えていただこうと連絡を取ったのですが連絡はつかず。少しして2018年にお亡くなりになっていたことがわかりました。
ずっと知らなくて、とても残念でなりませんでした。
私の知っている菊地雅樹さんを少しでも書き残したいと思っています。


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