Histories d′une Marionnette チェンバロ再発見 No.2
ノイペルト・バッハモデルで録音してみました。139年前のその当時のチェンバロ現代曲です。
Histories d′une Marionnette Op.145
5movements
1. Dormez mignonne
2. Chasse aux papillons
3. Les petits pantins
4. La lecon de clavecin : gavotte
5. Le bal : menuet
献呈:Felix Le Couppey
作曲年:不明
出版社:Paris Thauvin,n.d. 1885年
これはピアノのための5つの小品からなる曲集です。
第4曲目にLe lecon de clavecin :gavotteがあります。
おそらく私の資料では二番目に古いチェンバロのための作品でしょう。(一番目はLes Addieuxの1876年です)ただし、Clavecin またはCembalo、Harpsichordの表記のあるものの中でなので他にあるのかもしれません。
clavecin (cembalo) のための作品がいつからあるのかが最大テーマでして、調べていくうちにまず最初にこの曲に出会いました。ピアノのために書かれていますが、全曲を弾いてみていずれもチェンバロでも演奏可能です。
演奏ガイドはped, 強弱、クレッシェンド、デクレッシェンドなどのピアノように書かれています。
作曲者 Anne Edouard Pierre Chavagnat. (1845〜1913)について
全盲の作曲家。国立青少年協会で音楽を学ぶ。のちに1866年パリ音楽院に入学し、ヴィクトル・マセに学ぶ。
作品は残っていますが、ほとんどプロフィールはわかっていません。(口絵の写真はChavagnatのようですが、定かではありません。プロフィール写真は本当にいい加減なものが多いのですが、とりあえず、Chavagnatさんということで。)
Felix le CouppeyやLouis Diemerとの接点で知りました。
献呈されたピアニスト Felix le Couppeyについて
Felix le Couppey (1811〜1887)
フランスのピアニスト、作曲家、音楽教師。
パリ音楽院で学び、のちにパリ音楽院教授を努めた。
教則本を多数出版。
この曲は彼がパリ音楽院でピアノ教授として教えていた時代(1854年〜1886年)に書かれています。ピアノ科とソルフェージュの教授なので当時パリ音楽院にあるチェンバロの研究に参加してのことでしょう。
ここでチェンバロのおさらい
チェンバロはシュケという音楽学者によって1800年後半に偶然発見されました。バロック時代のオリジナル楽曲(1769年製のパスカル・タスカン)でその後、1882年にトマシー二によって修復されました。そして1889年のパリ万博で世に現れます。この間7年はパリ音楽院で保管され、演奏され、研究されていたのでしょう。主に、演奏者として名を挙げているのが、Louis Diemer(1843〜1919)です。
Louis Diemer は教師であり、演奏家で研究家でした。1889年のパリ万博で初めてチェンバロを演奏した人です。1887?には Saint-Saens, Vincent D′ Indy, Paul Dukas, らとバロック期のチェンバロ作品の出版もし、研究がかなり進んでいました。演奏も盛んにされていたであろうし、彼自身が何を弾いていたのか、という推察もできます。実はいつ何を演奏したのかについては記録は少ないのですが、「古楽の復活」ハリー・ハスケル著に当時の様子が詳しく書かれています。
すでにラモー、クープラン、シャンボニエール、ロワイエなども聴くことも弾くこともできていたようです。
ChavagnatとLe Couppey, Louis Diemer
パリ音楽院に関わっていた期間
Chavagnat パリ音楽院〜 1866年〜教授
Le Couppey. パリ音楽院〜 1854年〜1886年 教授
Louis Diemer. パリ音楽院〜 1888年〜 教授
トマシー二修復のチェンバロ 1882年〜
身近にチェンバロ(1769年製のオリジナル楽器が)あって様々な試みが行われていた時代です。
バロック期の作品の楽譜の出版物についても書きたいのですが、これはまた次に
覚え書きで、まとまりませんが、後で加筆、削除する箇所がありそうです。
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