龍神様と前世の縁/48歳バツイチだけど運命の人に出会った【25】

出会った次の日から付き合うことになった「たー君」。度重なるトラブルに不安になり、一人で霊視鑑定を受けることになった私ですが、その内容は驚くべきものでした。

お店のお客さんの霊能の師匠Мさんのサロンに行き、たー君のことを遠隔で視てもらった私は驚くべきことを聞きます。

たー君には龍神様がついている。しかし、腰から下が真っ黒。

たー君は過去生で時の権力者の元で能力を発揮するような仕事をしていた。

しかしその能力でたくさん人を殺したので、その怨念が下半身にまとわりついている。

……ていうか、ふつうそれ聞いて納得します？

私は全部納得したんです。

たー君のアパートに行った日、神棚からカエルが跳んできたことも。

たー君が私の店のお客様の人相を当てたことも。

たー君が私の考えを時々読むことも。

これらのことを考えると、たー君が過去生で能力者だったって言われても、なんかストン、と腑に落ちたんですよね。

しかし、怨念がまとわりついてるってことは、これからも足をケガしたりするってこと？

Мさんは、

「私にも龍神様がついているので、一緒に天に連れて帰ってもらって悪いものをとってもらってから返しましょう。龍神様が天に行ってる間、彼氏さんには……結界張りますか？」

それまでついていた龍神がいなくなる、ということはたー君を守るものがなくなってしまうということですから、もちろんお願いしました。

Мさんの鑑定は続きます。

「ミチルさん彼氏さんは前世できょうだいでした。ミチルさんが姉で彼氏さんが弟」

えっ？　

きょうだい？

「二人は庄屋の家に生まれましたが、ミチルさんは結婚して家を出ます。彼氏さんは跡取りとして家に残りますが、早死にしてしまいます。だからミチルさんは彼氏さんの体調が心配になるのです」

庄屋の家？

たー君早死にしたの？

「跡取りがいなくなった庄屋の家は没落し、土地は人手に渡ります。屋敷には小さなお社がありましたが、それもつぶされてしまい、さっきの狛犬が行き場をなくしていたのです」

庄屋の娘。

これもストーンと腑に落ちた。

私は店で毎日着物を着ているのです。
実は私の着物好きは昔からで、子供のときもきれいな布地を広げては体に巻きつけていたくらいです。今は洋服より着物のほうが数が多く持っているくらいだし。

庄屋の娘なら着物好きでもおかしくないですよね。

そういやたー君が私のことを、昔飼っていた犬の生まれ変わりなんじゃないかと言い出したことを前に書きました。

さっきの狛犬の話といい、なんとなくたー君も前世の縁みたいなものを感じていたフシはあります。

Mさんの話に全て納得していた私ですが、もう一つ聞きたいことがありました。

このことを書くのを忘れてたのですが、たー君の寝室を動画で撮ると、ものすごい数のオーブが映るんです。私の寝室にも少し、キッチンも少し出るけど、圧倒的にたー君の寝室が多い。

事務室兼酒飲み場所はまったく出ません。神棚があるからかもしれませんが。

ほとんど白色ですがネットで調べたら「白は悪いものではない」と書いてあるのを見て、なんとなく安心はしていたのですがそれでも気になります。

このオーブは何なのか？　なにか意味があるのか、と。

Мさんは、

「彼氏さんついてる龍神様に寄ってきた霊です。でも悪いものではないから」

……とおっしゃってくれました。それで一安心。

ここまで書いていて、私の質問は、ほぼたー君のことばかりなのに気づきました。

なんかこういうところも「姉」なのかな。
たー君のことばっかり気にかかる。

Мさんに、たー君から「お前とつきあってから悪いことばかり起こる」と言われたことを話しました。
曽我が会社を乗っ取ろうとしたことや、原口に殴られたことなど、トラブルばかり続くのは私が関係しているのか、と。

「ミチルさんとつきあったせいではなく、つきあったおかげで元々あった問題が表面に出てきた。むしろ良いこと」

私のせいではなく、私のおかげで表面化した。もしかして私がいなかったら、爆サイの書き込みなんかたー君は気づかなかっただろうし。

ていうか、もしこれでたー君の足の痛みがなくなってたら、たー君は一生私に頭が上がらないはず。

でも龍神様がついてる、とか前世できょうだいだとか、家帰って話しても、

60歳近いたー君が信じるかなぁ？

つづく