【柔整・あはき】オンライン資格確認②

1月31日からようやく柔整・あはきでもオンライン資格確認(以下、オン資確認)のための登録などが始まった。これから4月に向けてマイナ保険証への対応が進んでいくことになる。

なお、オン資確認の義務化は今年の12月から。あくまでも4月からはスタートするだけ。4月までにどうしても導入しなければならないわけではなく、4月から突然マイナ保険証を使う人が増えるとも思えないので、今のところはそこまで急ぐ必要はない。所属する請求代行団体やレセコン会社からの情報をしっかり確認したうえで導入していくのがよいだろう。

多すぎ!読み取り対応機種問題

オン資確認のポータルサイトには、マイナ保険証を読み取ることができる対応機種の一覧が掲載されている。しかしこれがものすごく多い。この一覧を見る限り、ひと目でどれを導入するか決められる人はいないだろう。

この対応機種の多さは、柔整・あはきのオン資確認が簡易的なもので、医科とは違うことが大きな要因だ。また、日本医師会のような職能団体がないことも要因と考えている。実際、医療機関がオン資確認を導入する際、カードリーダーの選択肢は5機種しかない。多岐に渡っている方が自由度が高くて良いように見えるが、個人的には5機種ぐらいがちょうどよいように思える。

現在、柔道整復師が組織する大きな二つの団体は共同説明会で以下のように説明している。

・すべての施術所でオンライン資格確認導入がスムーズに進むよう、業界団体とレセコンベンダーが協力して取り組むことを確認
・施術所(施術管理者)が、端末等を自由に選定・購入できる機会を阻害しないよう、関係者の協力を求める

「日整・統合協議会 オンライン資格確認共同説明会を開催」全国柔道整復師統合協議会Webサイト https://www.zenseikyo.net/post-3305/

なんとなく自由度を担保しているようで聞こえはいいが、危惧しているところもある。

例えばレセコンソフトとの相性の問題。請求代行団体やレセコン会社にしっかり確認して、と書いてきたのはここにある。ポータルサイトに掲載されている機種の一覧は、あくまでもマイナ保険証を読み取れるもの。レセコンとの相性とは関係がない。安く済ませようとして痛い目を見る可能性がある。自己判断で購入したカードリーダーの接続方法がわからない、うまく読み取れない、といったトラブルが起こった時、請求代行団体やレセコン会社はサポートできない場合がある。自己判断で買ったカードリーダーを使うなら自己責任、というわけだ。

そしてこれは請求代行団体やレセコン会社の囲い込みになる。つまり、今でも請求代行団体独自にレセコンソフトを指定していて、団体変更の一定のハードルになっている。そのハードルがカードリーダーでさらに高くなるのだ。現時点でカードリーダー購入後に補助金を受け取ると、二度と補助金は受け取れない。つまり、団体やレセコンを変えたいと思ったときに今使っているカードリーダーが変更先の団体やレセコン会社が推奨していない場合、自腹で購入する施術管理者が出てくるのだ。

団体やレセコンベンダーの数が多すぎて、それぞれ業者との付き合いもあろうと思われるので絞り込みが簡単ではないこともよくわかる。しかしながら、医科のように機種を絞り込むことで、結果的に現場は混乱しないということもあるはずだ。

秋頃までは読み取る「だけ」問題

オン資確認は4月からスタートするが、今のスケジュールであれば、秋ごろまではマイナ保険証を読み取って画面に表示させるだけ。これをレセコンに反映させることはまだできない。そして表示させた画面をレセコンに残しておくこともできない。オン資確認がテーマだった療養費検討専門委員会で、厚生労働省がそのように回答していたので間違いない。

読み取ったマイナ保険証の情報が自動的にレセコンに反映できるようになるのは、今年の秋以降に厚生労働省から反映できるようになる仕組みが公開されてからだ。そこから想定される窓口での受付の動きはこうなる。

  1. 患者がマイナンバーカード(マイナ保険証)を提示(患者はマイナ保険証を預けないのがルール)

  2. 読み取って保険者情報がレセコン画面に表示

  3. レセコンに患者情報を入力して受付完了

患者から保険証を受け取り、自分が入力したタイミングで患者に返す。患者から預かった保険証のコピーを取り後から入力する。ということができなくなる。ちなみに患者の保険証のコピーを取る行為について、厚生局は医療機関向けに個人情報保護の観点から好ましくないと指導している。施術所でも医療機関と同様の取り扱いとなるので、もし今でも保険証をコピーなりスキャンなりをしているのであれば、患者の同意が必要だ。

個人的には秋を待たずにレセコンに自動反映できるようになるレセコンもあると予想している。なぜなら、現時点で保険証をスキャンして画像を取り込み自動反映させているレセコンがあるから。スキャナでスキャンするか、カードリーダーで読み取った情報を取り込むかの違いで、画面に保険者情報が表示されるなら、自動反映できるのではないかと思っている。これができれば、秋までに多くの柔整師やあはき師を囲い込むための有力な武器になるのは間違いない。

オン資確認はもう少し待った方がいいかも

何度も書くが4月からスタートするが、義務化は12月からだ。秋ごろまでレセコンに自動反映されないので、しばらくは受付業務に手間がかかるかもしれない。それが嫌なら自動反映されるタイミングを待つか、違う仕組みで自動反映できるレセコンがある団体、レセコン会社に乗り換えるかだ。

個人的には、秋ごろまではレセコンに自動反映されないことを発信していないにもかかわらず、オン資確認を勧める団体やレセコン会社は疑ってかかった方がいいかもしれない。

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