【柔道整復・あはき】オンライン資格確認①

これまでは業務の都合上もありここには書いてこなかったが、昨年で業界を離れた。そしてあらためて情報の発信が非常に少ないことを知り、経験と勘を駆使して柔道整復や鍼灸あんまマッサージの情報を書いていきたい。
先日まで大手請求代行団体で情報発信をしていたこともあり、業界のことは人より知っていると自負している。しかしながら現在は本業ではないため、最速でものすごく詳しく解説することはできない。少なくとも、料金改定の議論はこんな感じで進んでいるよ、という厚生労働省の情報をかみ砕いている、と考えてもらえるとありがたい。
また、一部は有料になることもあるのであらかじめご了承いただきたい。

ではここからは、今年大きなトピックになる「オンライン資格確認」について考えていきたい。

接骨院・鍼灸院・あんまマッサージ院では4月からスタート

オンライン資格確認は、マイナ保険証を利用して患者の保険者などの情報を確認すること。マイナンバーカードには保険者や負担割合が記載されていないため、マイナポータルにそれらの情報を取りに行く必要がある。柔整・あはきの施術所(接骨院・整骨院、鍼灸院・あんまマッサージ院など)では、マイナカードを読み取る機器と読み取った内容を表示させる機器が必要となる。

いわゆる病院や薬局ではすでにスタートしているが、柔道整復やあはきの施術所では2024年4月からのスタートとなる。そして2024年12月には現行の紙・プラスティック製の保険証は廃止となりマイナ保険証のみとなる。このため、保険請求を行うのは2024年12月までにオンライン資格確認ができるように準備する必要がある。

オンライン資格確認の準備

オンライン資格確認をしようとするときに準備することがある。詳しくは厚生労働省が開設するポータルサイトhttps://iryohokenjyoho.service-now.com/omf)を参考にしてほしいが、簡単にまとめると以下のようになる。

  1. ユーザー登録をする

  2. 利用開始申請をする

  3. 必要な機器を購入し、セットアップなど準備する

  4. 補助金の申請をする(4.1万円まで・申請は1回のみ)

少し細かく確認してみよう。

上記の3以外の登録や申請はすべてポータルサイトから行うことになる。ユーザー登録と利用申請は施術管理者が行わなければならない。必要な機器については、ポータルサイトにマイナ保険証が読み取れる機器の紹介があるので参考にしてほしいが、ものすごく細かい字で多くの機器を紹介している。

請求代行団体に所属している施術管理者は、どのようなことをしなければならないか、使っているレセコンなどに対応している推奨機器などがないかを確認してほしい。

また、補助金の申請は1回限り。仮に1万円分の機器の補助金を先に申請し、残りの3.1万円分を後から申請するということはできない。

オンライン資格確認の義務化されない施術所とは?

2024年12月には従来型の保険証は順次廃止になっていき、マイナ保険証に置き換わっていく。そして2024年12月以降、受領委任払いで保険請求をする施術所は、一部の除きオンライン資格確認が義務化される。

業界新聞でも取り上げられたことがあったが、義務化されないのはどのような施術所で、患者はどうすればよいのだろうか。

現在、厚生労働省から示されている「義務化されない施術所」は、

  1. 廃止の予定がある

  2. スタッフ含め高齢者ばかりで運営している

といった具合で、具体的な年齢はまだ示されていない。そして、はっきり決まるのは制度がスタートしてから様子を見てからだそうなので、まだまだ先のことになりそうだ。

しかしながら、従来の保険証が廃止されるのに、義務化の対象から外れ、オンライン資格確認をしない施術所はどのように患者の資格を確認するのだろうか。ヒントはマイナ保険証が使えない保険医療機関のやり方にあった。

今後、マイナ保険証を持っている人には「資格確認のお知らせ」が送付される。患者自身が自分の資格情報を確認できるお知らせである。これを提示してもらえば、義務化の対象ではない施術所でも資格の確認はできる。また、患者自身がスマートフォンでマイナ保険証を読み取り、マイナポータルから資格情報の確認ができる。これを提示してもらえばいい。

ただ、どちらの方法でも患者の立場からは手間がかかり不便なのは間違いない。しかも施術所の都合で手間をかけることになり、患者の不満は残るだろう。例えば、初検のときに患者が「資格情報のお知らせ」を持っておらず、次回に持ってきてもらえると期待していたのに二度と来院がなかった、などという場合、保険請求自体ができなくなり窓口負担分しか施術料を受け取れない、ということもありうる。

義務化を免れようとすることは、患者離れを起こす可能性を秘めていると考えてほしい。

オンライン資格確認②では、保険医療機関等との違いなど、私の考えも含めてもう少し深掘りしたい。

参考:

柔道整復療養費検討専門委員会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126707.html

あんまマッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126708.html

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