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飲食店向け「香りのマナー」ポスター置き場



飲食店での「香害」が爆増中

飲食店で食事を楽しんでいると、他のお客さんから人工的な匂いが強烈に漂ってきて・・・香水か?整髪料か?・・・おかげで、美味しいはずの食事が一口ごとにその匂いに邪魔され、台無しになってしまった・・・そんな経験のある人は多いのではないでしょうか。

でももし、そんな経験があるあなたが、日頃のお洗濯に柔軟剤を使っているとしたら・・・また、柔軟剤は使っていなくても、大手メーカーの「抗菌」「消臭」を謳う洗剤を使っているとしたら・・・あなた自身も他人の食事を台無しにしている可能性があります。それには二つ理由があります。

柔軟剤や洗剤の香りがエスカレートしている


一つ目の理由は、近年、大手メーカーが販売しているほとんどの洗剤や柔軟剤が、「良い香り」や「抗菌」「消臭」機能を前面に出して開発・宣伝競争をエスカレートさせてきたため、匂いの成分が大変強く、周囲に漂いやすい匂いを衣服に付着させるものになっていることです。(抗菌・消臭と言っていてもほとんどが香料を配合しており、それらに特有の匂いがあります)

自分が撒いている匂いはわからない

もう一つの理由は、人間の嗅覚は一定の匂いに触れ続けていると、その匂いを感じなくなる性質(順応性)が強いということ。匂いの強い柔軟剤や抗菌「消臭」洗剤を使っていても、その匂いの強さを自分では感じることが難しくなってしまうのです。
香水などの場合も、自分より他人の方がその香りを感じやすいので注意が必要ですが、洗剤や柔軟剤の場合は日常生活のほとんどの時間をその匂いに触れて過ごすことになるため、その匂いの感じ方が、自分と周囲の人で全く違うということが起こります。
(*洗濯製品メーカーも、匂いがわからなくなったユーザーに続けて買ってもらわなければならないので、より強く長持ちする匂いや、いかにも消臭した!と感じられるような刺激的な成分を加えるようになってきたのかもしれません。)

「香りお断り」のお店が増えている

最近、「ぐるなび」などの情報サイトに掲載されている飲食店の中にも「柔軟剤や香水などの強い香りをまとったお客様の入店をお断りすることがございます」などと注意書きをしているお店が増えてきました。
私が直接知るお店でも、最近お客さん同士で香りをめぐるトラブルが起きたと聞きました。営業上の深刻な問題として「香害」を深刻に捉えるお店が増えていることは間違いありません。

「香害」のせいで閉店するお店も

香りについての注意を発信しているお店の中には、経営している方自身が、柔軟剤などの人工的な匂いに触れると吐き気や頭痛など体調に悪影響があるという場合もあります。そうした症状は、誰にでも起こる可能性があり、飲食店経営の方々も例外ではないのです。
しかし、どんなに切実にお願いしても、お客さんの理解と協力を得るには限界がある・・・そこで残念ながら、閉店に追い込まれた。そういうお店も、私はsnsを通じて幾つも見てきました。

飲食店で「香害」にならないためには

それでは、飲食店で「香害」にならないためには、どうしたら良いのでしょうか。
その答えは、

香り付き柔軟剤は使わず、無香料の洗剤を使うこと

その一択と言って良いでしょう。
その上で、特に香りを嗜みたい人は、出来るだけ質の良い香水をTPOに応じて用いることです。それなら、飲食店に行くときは「香水を振らない」という選択ができます。
洗濯で匂いを付けてしまったら、TPOに応じた選択は出来ないのです。

飲食店用「香りのマナー」ポスター画像

そこで私は、飲食店がお客さん向けに掲示することを想定したポスター画像を作成しました。
柔軟剤や合成洗剤などの香りが他のお客さんに迷惑になることがあるという事実を伝えた上で、無香料の洗剤の使用をお勧めするものです。
お店のジャンルに対応したいくつかのバージョンを用意しています。
私が実際に利用しているお店のいくつかで、経営者の方に理解していただき、貼っていただけています。「こういうものを待っていました!」と喜んでいただいたこともあります。また、SNSを通じて知っていただいた飲食店の方にも利用していただいています。
ここに、現在までに作成した全バージョンをアップロードします。
多くの飲食店関係の方、飲食店を愛する皆様にご利用いただければ幸いです。

「香りのマナー」ポスター:喫茶・洋食向けバージョン。他バージョンも以下でダウンロードできます。

↓喫茶・洋食向け

↓寿司店用

↓ワインバー向け

↓居酒屋向け

↓ラーメン店用

蕎麦店用

↓平置きを想定したチラシ版。両面印刷を想定しています

飲食店は「香害との戦いの最前線」


私のポスターを貼ってくれている店でも、それを見て協力してくれるお客さんばかりではありません。
私自身、外食する日の9割以上は、誰かの柔軟剤や洗剤の匂いと闘いながら飲食をしているのが現状です。

私はそれでもなんとか我慢していますが、香害による健康被害を感じている人の中には、「化学物質過敏症」と診断されるような、重い症状を訴える方もいます。そういう方にとっては、もはや飲食店に行く事自体がほとんど不可能、夢のまた夢というほどになっています。

しかし、だからと言って私のような活動が無駄とは思いません。
飲食店で香害による迷惑被害が起きていることを、世の中の皆さんに知っていだだき、一人でも多くの方の協力を得ていくことができたとき、香害による重い症状に苦しむ人にも、救いをもたらすことができると私は信じています。

「オセロの隅になって」


今や住宅街にも香害は蔓延し、香害に苦しむ方々が住む部屋の中まで達して、襲いかかっています。そうした被害を軽減するためにも、飲食店という「最前線」の闘いを通じて、無香料の洗濯を選択する方が増えることが必要だと思うのです。

そこで私は、行きつけの飲食店の人に、

「オセロゲームで、隅っこのマスを取ると一気に白黒の勢力が入れ替わることがあるでしょ。あなた方飲食店は、そのオセロの隅っこなんだと私は思うのですよ。ここで、この場所で、他人に迷惑をかける匂いはダメなんだという常識を取り戻すことで、世の中はきっと変わる。あなた方にはぜひ、その『オセロの隅』になっていただきたいんだ」

こう言って激励し、引き続きの協力をお願いしています。

*その際に、お店のスタッフには無香料を徹底したいただくことを重ねてお願いしています。お客様の協力を得るのには限界があるとしても、お店自身が香害の元にならないことは、やろうと思えば確実にできるのですから。

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