見出し画像

いつも、お世話になっております。小濱昭博です。

大学に馴染めず一年ほぼ通わなかった自分を救ってくれたのは、大学二年の時に
「夢を語れる友達が欲しい」と一念発起。ノンアポで突撃した演劇部でした。

初めての稽古で先輩に褒められたり、お客さんに初めて褒められたり、気がついたら
「この場所で演劇で食っていけるようになってやろう」と、思い込み、
生まれ育った仙台に腰を据えて、活動を開始するようになりました(嘘、就職したくなかっただけかもしれない)。

卒業後はまた、演劇を続ける仲間も減り、しばらく「仲間」に飢えていた私。
風の噂で「澤野正樹」という、凄い奴がいると噂を聞き、「澤野なんぼのもんじゃい」と思いながら日々を過ごし、ずっと意識しておりました。
ある知人の紹介によって、一緒に飲みに行く機会があり、「なめられちゃいけない」と謎の対抗意識を発揮「仙台の演劇を変えなきゃいけない」と大風呂敷を広げたことを覚えています。

今思い返せば、その辺りのことが、自分の原体験になっているのだなぁ、と改めて。

さて、劇団 短距離男道ミサイル(以下、ミサイル)の最後を見届け、退団いたしました。
2011年にC.T.T.sendai特別支演会で拝見し、憧れを抱き、2012年に入団。

震災直後の上演で、客席から彼らと彼らを見て大笑いする観客を眺めつつ
「ああ、みんな笑いたかったんだ」
と、気づけた体験は、本当に染み入るような気づきでした。

すぐ入れてくれと言えば良いのに、無駄な対抗意識を発揮。
出たい出たいと思いながら、声をかけられるのを待ちつつ、一年経過。
「小濱さん、出る?」と念願のお声がけを受け、やっとこ出演することになったものの、
初めてのミサイルの舞台では緊張し、笑いを取れたかどうか自信を持ちきれませんが、京都名古屋で上演できたのはとても嬉しい経験でした。

色んな思い出が、あります。

ギックリ腰のまま長距離運転したこと。
ハイエースで宿泊し、びしょびしょになったこと。
小道具忘れて、本番中に取りに走ったこと。
なんか肘が超膨らんで、水が溜まったいたこと。
本番前日の夜中から午前まで舞台作りを手伝わされていた客演さんがなんとも言えない顔をしていたこと。
その次のテクリハで立ったまま意識を失ったこと。
深夜稽古からの早朝稽古の二時間のインターバルに、帰宅→風呂→歯磨き→睡眠→起きて出発をこなしたこと(結構遅刻する俳優がいてほぼほぼ稽古成立しなかった)。
みんなで食べるご飯が、なんだか美味しかったこと。
今後の自分の指針になるような、お客さんとの出会い。
連絡がつかず、消えた後輩。
色々あって、劇団をやめた澤野。
劇団を続けようと、みんなで思い切った日。
※もうちょっと気になる人は、コチラをどうぞ。
https://note.com/beyond_it_all/m/mc0e58075537a。

語りつくせないくらい色んなことがありました。

飽きっぽい私にとって、12年もの間続けられたのは、ミサイルくらいです。
私という存在を、とても大きく育ててくれた、太陽のような、場所でした。

しかしながら、性分なのかいつも頭に考えてしまうことがありました。
仙台演劇人の私は言います「本当にこれでいいのか?」と。

現在に、何が残ったのかと?
私の経験や技術として、以外に。
悔しくないのか?
この土地で、やろうと思える志や、この場所の演劇に対する愛着を作れたか、と?
さみしくないのか?
一番得したのは私なのではないかと。
申し訳なくないのか?
自分のためにしか使わないのかと。
卑しくないのか?
と。

そんな悩みを持っていたのと、今回の改名の区切りが重なっての退団となりました。

引き続き、悔しさと自分の心の声に耳を傾けつつ、
この土地、東北、いろんな地方のみんなが(地方に限定する必要もないのだけれど、今後少子高齢化が進み、厳しくなっていきやすい地域としての地方をメインに)、
賑やかで楽しい場所、
健やかで豊かな場所、
涼やかで可憐に入れる場所、
を目指して色々やっていきます。

劇団 短距離男道ミサイル改めMICHInoX(ミチノークス)。
MICHInoXは、私にとって太陽のような場所でした。

太陽と、土壌と、水と、種と、微生物と。
色んなものを育てるには、当たり前だけれど、たくさんのものが必要で。

とりあえず、随分得した自分なので、土壌か、水か、そう言ったものを、作っていこうと思います。

この土地、東北、いろんな地方のみんなが(地方に限定する必要もないのだけれど、今後少子高齢化が進み、厳しくなっていきやすい地域としての地方をメインに)、
賑やかで楽しい場所、
健やかで豊かな場所、
涼やかで可憐に入れる場所、
を目指して色々やっていきます。

MICHInoXのみんな、長い間、本当に本当にお世話になりました。
言い尽くせないくらい、ありがとうございました。

長年ご愛顧いただいたみなさま、私は卒業しましたが、引き続き、
劇団 短距離男道ミサイル
改め
MICHInoXも、よろしくお願いいたします!

良いシワ刻んで、背筋伸ばして、呼吸を深くして、
また、劇場でお会いましょう。
良い人生を!

小濱昭博

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?