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日々の泡

引っ越しが続くと本をよく無くしてしまい、無くしていたボリスヴィアンの「日々の泡」がなぜか急に読みたくなり探していた。
最近編集や撮影の合間に断捨離をしていて、その際に見つけた。とても嬉しい。

ボリスヴィアン、ポールオースター、リチャードバック、サンテグジュペリ
、ジャックケルアック、ブコウスキー。なぜか10代の頃は海外文学にハマってよく読んだ。当時先端だったヴィレッジヴァンガードや母の影響もあると思う。19歳、お金がなくて時間だけはあったあの頃、学校への定期券を使って、本を片手に地下鉄で街を散歩した。全部ブックオフで買った安い海外文学。お金がなくても見れる美術館の常設展や、色々とフラフラしていた。当時僕は地下鉄の唯一外に出る区間に住んでいて、電車が外に出て光を浴びながら街中を走る風景を、ヴィアンの文章を読んでいると思い出す。

映画を目指した小さな人間が、なんとかかんとか今息をしており、動画制作を続けている。予測された検索ワードによってなんとなく枠の中に収まり、パソコンからの旅は決められたルートを走り、選び取っている実感がないまま、自分自身もどんどん収まりが良くなっていっているようで気持ち悪い。私が本当に好きなものは、果たして私が本当に好きなもので、果たして本当に出会っているのか。時々わからなくなる。

19歳の頃は自分の身体がいろんな場所に移動したけど、最近はそうでもないし、今年はもう少し自分の身体感覚を取り戻したいなと思う。


最近、友人であり仕事でお世話になっているフリープランナーの福田さん(福ちゃん)の結婚式のダイジェストを完成した。2年前の前撮りは丁度a7Ⅲからa7sⅢへの転換期で、a7sⅢがまだ手元に届いていない時期。a7Ⅲの8bitと今後購入するa7sⅢ10bitの素材が合わさるのが嫌で、前撮りはFS7を使った。久しぶりにFS7の素材を編集したけどほんと綺麗。

この2年で、機材も大きく変わってしまった。FS7もFX6への変化した。季節や時代の移ろいを実感した。福ちゃんとは数少ないフリープランナーさんの友人で、携われたことが本当に嬉しかった。

作り手もまた、ただ作るだけではない、様々な要素が必要になった。

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