#黒田真行 #採用100年史から読む #人材業界の未来シナリオ

#黒田真行 #採用100年史から読む #人材業界の未来シナリオ
採用は本当に難しい。本書は、リクルーティングビジネスの現在・過去・未来を概観している。SNSやAIの登場によってツールやプレイヤーは変遷するが、結局は企業と人のマッチングである。新卒はまだ、売り手が限られ、期限があるからよい。難しく感じるのは、転職市場。まず必要なのは、専門知識・技能であるが、本書が指摘するよう「ポータブルスキル」たる「仕事の進め方、人との関わり方」が見極められない。特に、面接だけでは。確実なのは「リファーラル」、つまり縁故市場だ。「コネ」「紹介」などろくなもんじゃない、と信じていたが、現職では経験則上失敗のリスクが断然低い。裏を返せば、転職「市場」に出ている人材はすでに売れ残りなのだ、と。事実、SNSの広がりと共に無視できない規模になっているそうだ。
話を戻せば、会社と人のマッチングは、「条件」より「愛」に軸足が移って来ているようだ。
さまざまな情報がSNSやネットで流れている今、会わなくてもわかる情報が氾濫している。そして、それを踏まえた上で「好き」になってもらえる企業の情報を質高く発信することが大事なのだ。昔は圧倒的に企業有利、つまり応募書類から企業側に情報が偏在していたが、今は、こちらの顔を見た段階で優秀な人材はこちらを丸裸にしている。採用口コミやTwitterで職場の現状は暴かれリクルーターはその「サンプル」として「見られて」いる。企業や仕事への熱意が生声で語れるかは、簡単でない。結局は、職場をつくるしかないのだが、人を選ぶ目、はどうつくるのか。この本にもちろん答えはない。