播州そろBANG・BANG・BANG‼
今日は兵庫県小野市周辺で作られている「播州そろばん」についてお勉強。
安土桃山時代。豊臣(当時羽柴)秀吉の三木城攻略の際、三木の住民の一部は大津に逃れました。
その大津で作られていたのが「そろばん」。そろばんは室町時代に中国大陸から長崎を経由し、大津に伝わったのだそう。三木から避難してきた人々は大津でそろばん作りを習得しました。のちに晴れて地元・三木へ帰る際、技術を持ち帰った……という言い伝え。
大津のそろばんについて、三井寺のホームページに詳しく掲載されています。歴史好きさん、古典好きさんもぜひご一読を。
三木城攻略って、なかなかひっでえ戦いだったんですね。秀吉が行った兵糧攻めは「三木の干殺し」と呼ばれました。
そりゃ近隣住民も避難するよな……しかし大津まで? 大津は交通の要衝といえ、大阪(大坂)も京都も越えてまで。当時の人にはとても遠かったはず。何か理由があったのかしら?
前述の「大津に避難した人が持って帰ってきた説」、「堺から伝えられた説」など、播州へのそろばん伝来には諸説あるようです。
そろばんってきれいですよねー、使えないけど(笑)。整然と並んだ玉のツヤが美しい。あの玉は、カバやツゲの木で作るそうです。へえー。
音もいい。玉をはじくパチパチという音、そろばんを振ったときのシャカシャカという(ホントはシャカシャカしちゃいけないのかもしれませんが)音。
そろばん使う人にとっては、やっぱ「いいそろばん」ってあるんだろうなー。玉を弾いたカンジとか、玉の滑り・動き、弾いた時の音、枠が手になじむ感触。きっと各々にいいそろばん、使いやすい、使ってて気持ちいいそろばんがあるのだろうな、と想像しています。
電卓の台頭で、そろばんの需要はどんどん減っているそうです。
元銀行員の知人曰く「お客さんにそろばん使って(計算して)説明しても、わかってもらえないんだよー。信用してもらえないっていうか(苦笑)。電卓で数字見せないとだめだったなー」
なるほど、お客さんもそろばん使えるとは限らないし、数字で見せられないとわかんないもんなあ。
ご商売をしてる年長の知人は「電卓でも計算するけど、そろばんでやらないとスッキリしない」と話していました。そろばん愛用者は絶対数いらっしゃるんですね。
事務用品であり、実用品であり、教材であり、工芸品・美術品でもあるそろばん。
使える人を見ると、心の中で「すごいなーかっこいいなー」とひそかに憧れています(告白)。