中村みちる

人生の目標は、桜の様に散っていくことです。自分と向き合うために、芸術の力を借りてみようかと思います。私の昇華活動が、あなたの、誰かの、心に届いたら嬉しいものです。https://www.instagram.com/chil_dayo

中村みちる

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中村みちると申します。

物心ついたときから「つくること」が好きでした。 初めまして、中村みちると申します。 先日部屋の片付けをしていたら、小学生の頃からかいていた漫画や小説を発掘しました。 大人になってしまった私は普通に大学を卒業し、普通に就職をし、普通に家庭を持ち、普通に子供を育てているけれど、 ああ、かつては乾燥も知らない幼い手で、鉛筆を握り、自分の世界を表現していたなあ。 見たことのない世界を、短い人生経験の中から惜しげなく描いていたなあ。 自分の世界がそこにはあったなあ。 と、

    • ポルノグラフィティの岡野昭仁さん

      • 盲目の天使 第三章 一節

        はじめに/序章/第一章/第二章 第三章 心  月日は経ち、季節は秋から冬に移った。  あれからというもの、ふたりの作業の精度は増し、日に複数人殺めることも難なくこなすようになっていた。母上の機嫌も頗る良い。  あの夜――早鬼と妻の別れの日のことは、暗黙の了解で禁忌とし、お互い触れないように過ごしている。母上からの指令に専心することで、忘れることが出来た。  早鬼の目にはあれから一度も光が映っていない。きっかけがないのだ。何がきっかけだったのか自分でもわからない。しかし、

        • 宇宙は何故まわっているのですか?

          「宇宙は何故まわっているのですか?」 貴方は廊下で私を引き留めた。 「こっちへ来てご覧。」 水道に私を誘い、全ての蛇口を全開にして、貴方は言った。 「こういうことだよ。」 貴方とふたり、ぐるぐると渦巻く水流を見下ろした。 私は貴方に、恋をしていた。 貴方はいつも授業にプリントを使っていて、最後にそれを回収するスタイルをとっていた。 そのプリントの最後には質問欄があり、たった一言でも貴方と交わしたい私は、毎回無い知恵を絞って質問を考えていた。 貴方はいつも、丁寧に回答し

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        中村みちると申します。

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        • 盲目の天使
          5本
        • 『初恋』
          0本

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          盲目の天使 第二章 

          はじめに/序章/第一章 瞳 第二章 禁じられた気持ち 「貴方、誰?」 「え?」  港町の昼下がり。  秋の鋭い陽が容赦なく照り付ける路上に、ひとり迷子がいた。 「あ、あの、姉上?」 「姉上?何で私が貴方のお姉さんやらなきゃならないの。」 「え、しかし姉上……」 「何なの!?もう付いて来ないで頂戴!」  遠ざかっていく足音。取り残された。  少年、早鬼は路上にぽつんとひとり立ち尽くした。詰まりこれは、今年何度目かの、迷子。  今日、早鬼は姉上と共に買い物に出ていたのだが、途

          盲目の天使 第二章 

          盲目の天使 第一章

          はじめに 序章 第一章 瞳  薄暗い路地にふたつ、静かに足音が響く。  追いかけっこというには不気味すぎる、恐ろしい程静かで妙な音だった。 「ごめん。でも、母上が殺れと仰るんだ。」  足音が止まった。ひとりは少年で、もうひとりは少女だった。 「仕方ないよ。人はいずれ死ぬんだから。」  金属の擦れる鈍い音が響く。 「ごめんね。」  刹那。風を切る鋭い音と同時に、何かが砕け崩れ落ちる音が路地に響いた。辺りは真っ紅に染まり、死臭が漂い始める。 「臭い……。」  少年は怪訝な顔

          盲目の天使 第一章

          盲目の天使 序章

          序章 「人を殺すことは、決して悪いことではない。」  彼はそう教わってきた。  生物は必ず死ぬ。  だから、これは変なことではない。  ずっと、そう言われ続けた。  ”死ぬ”って、何だろう。  殺された時、どんな気持ちかな。  気持ち良いのか、苦しいのか、何も感じないのか。  彼にはわからなかった。  だって、見えないから。  自分の使っている凶器も、人も、血も、自分さえも。  生まれてから、一度も見たことは無かった。  声や臭いは、わかる。  人を殺す時、聞こえ

          盲目の天使 序章

          盲目の天使 前書

          ――はじめに―― 今から16年前。 中学2年生の時のことです。 創作に没頭していた中村少女は、ひとつの物語に、特別熱心に身を投じていました。 『盲目の天使』 上の写真のノート3冊に記したこの物語。 当時、学校内を旅し、様々な方に手にとっていただいた思い出があります。 もしその頃読んで下さっていた方に、長い月日を越えて今再びお会い出来たとしたら面白いなあ、なんて。 初めましての方には、お願いがあります。  題名にもある通り、本編には宗教用語が少し出てきます。 もしかし

          盲目の天使 前書