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ホーリーバジルの精霊が宿る

昨年秋に手に入れたホーリーバジルのブーケを、新鮮なうちにオイルとウォッカに漬けておいた。石けん作りに使うためだ。


ホーリーバジルはインドのヒンドゥー教で、女神ラクシュミーの化身とされている植物だ。

死神から守る力がある。今でも、インドでは、寺院周辺に植える習慣があるらしい。

神聖な植物だと聞いていたが、そういった歴史があるとは知らなかった。


「バジル」と呼ばれるため、イタリア料理に使われるバジルを連想する方が多いかもしれないが、香りはそのバジルよりももっと柔らかく、お茶にして飲むと甘みが際立っていて、口の中に長くまったりと残る。


ミントほど清涼感が強くなく、とても飲みやすいハーブだ。



オイルとウォッカに移した力を、石けんの中に閉じ込める。



今回はパームオイルフリーのレシピだ。パームオイルは、石けんを溶けにくくするために配合される。

香りに特徴が無く、固体でも液体でも使用しやすい油であるため、様々な加工食品に使われている。アブラヤシを育てるために森林が破壊され、環境問題になっているのが現状だ。

パームオイルを使わない代わりに、シアバターやココアバターを使った。しっとりとしたリッチな使い心地になると想像できて、出来上がりが待ち遠しい。

2020年の秋に、原因不明の肌トラブルにあい、症状がひどくなり、市販のシャンプーや洗顔料が使えなくなった。

心身ともに不快な毎日から救ってくれたのが、たまたま自分で作っていた石けんだった。

石けんを作っていながら、洗うのは手や体で、髪や顔を洗うことがなかった。しかし、トラブルをきっかけに、最後の頼みという気持ちで、全身を手作り石けんに切り替えて、今に至る。

今回は特に、シャンプーバーとして使うことを意識してレシピを作った。精油は、頭皮に良いとされるものの中から、香りが立ちやすいものを選んだ。イランイランだ。イランイランの香り成分は、女性のホルモンバランスに作用すると言われているが、だからといって全ての女性が好むわけではない、という体験をして、印象的だった。

柑橘系の軽やかな精油などをブレンドして、香りのバランスを整えた。



オイル自体が持つ香りや、ホーリーバジルの香り、そこにブレンドした精油の香りが重なって、香りが練れていく。様々な香りが折り重なって、バスタイムを至福の時間に誘う。


自家製の石けんがある暮らしには、植物の精霊たちとつながる神聖な時間が流れている。

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