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【ワインに合うレシピ】しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 #734


先日インスタライブで作り方をご紹介したパスタ。

https://www.instagram.com/michiko_wine_tsumami/

生のクレソンを刻んで(包丁を使うのはここだけ)、しらす、バター、ナンプラーとボウルに入れ、茹でたて熱々のパスタを投入。さっと和えて完成。

という、100文字レシピさながら、もうめちゃくちゃ簡単にできてしまうパスタ。


どうしても「簡単レシピ」と聞くと、手を抜いている(手間を省くのはもちろん悪いことではない)印象が少なからず湧いてしまうが、これは、むしろこの簡単な調理法だからこそ食材が活きる、そんなレシピだと思っている。


炒める訳ではなく、熱々のパスタの熱で和える、この加減がポイント。

クレソンって、生だと苦いし辛いし食感もボソボソ。だけど、炒めてしまうととせっかくの香りが飛んでしまう。茹でたての余熱でちょっとだけ火が入ることで、辛味や苦味は程よく抑えられつつ、清々しい香りやシャキシャキした食感が楽しめる。


もう一つ、ポイントとしては、塩でも醤油でもなくナンプラーを使うこと。

出来上がりの料理の味に奥行きが出る。ほんのり熱が入ることで、独特の香りも和らいでくれるので嫌味がない。
バターのコクともすごく相性がいい。アンチョビがパスタともバターとも相性がいいというのに、似た感覚かも。


まずはぜひクレソンで試してもらいたいのだが、クレソンが近所では手に入らない、とか、クレソンが苦手、という方もいると思うので後半でオススメの代用食材についても書きたいと思います。

それと、「ナンプラーなんて買ってもエスニック料理なんて作らないし、冷蔵庫で余ったまま眠るだけ」という方にも、ナンプラーの活用方法を色々ご紹介するのでぜひ読んでみてください。


[レシピ] しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 (3)

【材料 1人分】
スパゲッティ   100g
しらす      20g
クレソン     50g
バター      15g(有塩。無塩を使う場合は塩を足して調整)
ナンプラー    小さじ2/3
粗びき黒胡椒   適量

【作り方】

① スパゲッティを塩を加えた湯で表示の時間より30秒短く(好みの茹で加減よりほんの少し固め)茹でる。

② その間にクレソンを細かく刻む。

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 手順 (1)

③ ボウルにしらすを入れ、その上にクレソンとバターをのせ、ナンプラーも加える。

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 手順 (2)

④  茹で上がったパスタを③のボウルに入れて和える(パスタを茹でたお湯の中でボウルを湯煎のようにするとより温かく仕上がる)

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 手順


完成!

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 (2)

クレソンならではの清々しくて爽やかな香りが口中に広がる。辛味はなくて嫌味もない。
ナンプラーの風味とバターのコクが、しらすの旨味とも重なって、材料の数は少なくシンプルなのに、味にはとても深みがある。
シャキシャキとしたクレソンの食感がアクセントになることで、最後まで食べ飽きしない。

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 (4)

【POINTS】
◉パスタの種類はスパゲッティがオススメ
◉茹でる時間は表示より30秒短く。表示通りだと和えている間に余熱が入り伸びてしまう。
◉醤油でも代用可
◉クレソンは太い茎も使う。シャキシャキ食感がアクセント。
◉クレソンの香りを最大限に楽しむためニンニクはなし


パスタの太さに関しては個人的な好みもあるけど、私はディチェコのスパゲッティ(1.9mm)が大好きでこれを使うことが多く、他の太さでも試してみたものの、このレシピにもやっぱりこの太さがあっているいると思う。


醤油に関しては、ナンプラーを使うことで料理の味に深みが出るのだが、「今日はない!」「どうしても苦手!」「近所で売っていない!」という方は日本の醤油でも。
濃口だと醤油の風味強め、薄口だとあっさりめに仕上がる。ナンプラーの方が塩分が強いので(塩分濃度約20%。濃口醤油で約16%、薄口醤油で約18%)、日本の醤油を使うときは気持ち量を増やすのがオススメ。



クレソンが手に入らない!クレソンが苦手!な方へ

蘇る大地の会 クレソン


さて、今回のレシピ、「クレソン」を使うのが個人的には圧倒的にオススメ。理由は「その香り」と「食感」
特に食感に関しては、葉だけではなく「太めの茎」があるからこそ、火が入った時に柔かくなりすぎずシャキシャキとした歯ごたえを演出してくれる。

クレソンって、ステーキなどお肉料理の添え物としてお皿に乗っていることも多くて、パセリと同じように食べ物と認識さえされないこともある。

でもこのパスタだと、約50g、一般的にスーパーでひと束として売られている量、ペロリと食べれてしまう。生でこの量一人で食べるのはなかなか難しく、栄養価の高さを考えるととてもヘルシーでもある。

でもやっぱりクレソン以外で作りたい、そんな時はこちらで代用するのをオススメする。()内はオススメの一人分の量。


・パセリ(20g)
えっ、パセリをこんな量食べれてしまうの!というくらい食べれる。とても爽やかな味に。

・セロリの葉(50g)
捨ててしまいがちなセロリの葉が主役。葉の部分と一緒に、葉がついている細〜い茎の部分、普段は筋っぽくてそれこそ捨ててしまいがちな部分を細かく刻んで使うことで、シャキシャキ食感に。

・ルッコラ(50g)
生で食べると辛いけど、程よく辛味が飛んでルッコラのいい香りだけ残ります。

・青ネギ(40g)
ちょっと和風テイストに。葉ネギや万能ネギなど柔らかくて細めの青ネギを。

・ニラ(30〜40g)
熱々パスタの熱でニラに優しく火が入って、ニラの香りを堪能できる。ニラといえばごま油のイメージだけど、バターもなかなかいい。私的には好みだけれど、やっぱり香りは強いので、まずはぜひ人と会わない日に。

どれもそれぞれ美味しいのだけど、食感を楽しめるという意味でセロリが特にオススメ。
でも、ニラも捨てがたい。
ぜひ色々試してみてください。



ナンプラーの使い道について

ナンプラーの使い道は何もエスニック料理だけではない。
それに、確かにそのまま使うと魚の香りが強いし、癖が強くて苦手だな〜と思う方もいると思います。

でも、実はナンプラーって色々な料理で活躍できるし、火が入れば香りも飛んでくれるし、旨味のおかげで味の底上げになるのでうちではかなりの頻度で登場する。

私がよく使うのはこの2つのパターン。


① 醤油の代わりに炒め物に

炒め物、それこそ、バター醤油炒めの「醤油」を「ナンプラー」にかえて「バターナンプラー炒め」に。

きのこ類や、アスパラ、これからの季節だとヤングコーンとかとうもろこし。イカや鮭などの魚介もイケるし、豚肉や鶏肉などお肉もイケる。
バター醤油炒めよりもほんのり旨味が深い仕上がりになる。

レンコンとかごぼうのきんぴらを、「醤油とみりん」ではなく「ナンプラーとみりん」「ナンプラーと砂糖」にするとこれも美味しい。


豚肉とレンコンをナンプラーと砂糖で炒めるレシピがあるのでご参考までに↓



② 隠し味に

ホールトマトを使ったトマトソースや、フレッシュトマトのソースに少し加えたり、醤油とみりんを使ったいわゆる和風の定番煮物の醤油の半分(もしくは1/3位)をナンプラーに変えなど、煮込みや煮物の味の底上げに

餃子のタネや唐揚げの下味に使うのもアリ。


そうそう、らっきょうを黒酢とナンプラーに漬けるレシピも。ナンプラーのおかげでどことなくエスニック風↓


ズッキーニをクタクタに蒸し煮にしてナンプラーで味付けする夏の常備菜↓


これからの時期に美味しくなるプラムを使った煮込みにも。これ、美味しいのでぜひ作ってみて欲しい↓


餃子の下味にも↓


こんな感じで、ナンプラーって本当に色々使い道があるので、しかも少量で売っているので、まずはとりあえず1本買ってみてください!



さて、ここまで長くなりましたが、

ここからはワインペアリングのお話。

しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味 (1)

今回合わせたのは、、、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン。

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青い芝のようなハーブのような清々しい香り。キリッとした酸味があって爽やかな印象もありつつ、じわじわと旨味も感じられコクもある白ワイン。


【ペアリングポイント】
①パスタの仕上がりの色→白ワイン
②キーになる香り=クレソンの清々しさ→ソーヴィニヨン・ブラン
③バターに合うコク→温暖な地域=ニューワールドや南仏


①色が白っぽいパスタだから白ワイン。

ラグーソースのような茶色っぽい仕上がりなら濃い赤ワイン、フレッシュトマトソースのような明るい赤色の仕上がりなら軽めの赤かロゼワイン、というように出来上がりの色と合わせる。

②クレソンの青っぽい香りに合わせて、ソーヴィニヨン・ブラン。

ソーヴィニヨン・ブランという品種は世界のどこで作っても青々しい香り、清々しい香りが少なからずある。料理の香りとワインの香りを合わせる。

③バターのコクに合わせて、ワインもコクがあるものを。

産地選びは「コク」をポイントに。ニューワールドやヨーロッパでも南の方の地域は温暖なのでワインも果実味がのってコクがある味わいになることが多い。

◉ワインの酸味で、柑橘を絞った時のような効果も。

このパスタ、スダチやレモンなどの柑橘を絞っても美味しい。ワインと一緒に食べれば、ワインの酸味がその柑橘の役割も。



ちなみに、インスタライブの時に合わせたのは南フランスのソーヴィニヨン・ブラン。

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これもペアリングは上のロジックと同じ。とてもよく合いました。

ラフォルジュ ソーヴィニヨンブラン


今回はちょっと長くなりましたが、「しらすとクレソンのパスタ ナンプラーバター風味」にまつわる作り方や食材について、そしてワインとのペアリングについて、語りつくしました。

是非お試しください!!!