【読書メモ】amazonの絶対思考

Amazonの「普通の基準」を10年間在籍したメンバーが紹介する本

Amazonの社名の起源。Cadabra, Incで登記されたが、数ヶ月後にAmazon.com, Incに変更された。理由は検索の優位性を考慮し、アルファベット順でAから始める名称が好ましかったとのこと。また、アマゾンは世界最大の河川であり、ベゾスの目指す「世界最大の品揃えを持つストア」というビジョンとも関連する

Amazonの三つの重要戦略

  1. プライム
    サブスクリプションモデルとすることで安定した収益を見込むことができる。またプライム会員は購入数、購入金額が大きいロイヤリティの高い顧客

  2. AWS
    クラウドサービス。MicrosoftやGoogleも提供しているが、提供時期が早かったこと、豊富なサービスによりトップシェアを築いている。

  3. マーケットプレイス
    マーケットプレイスの流通総額が全体の6割。販売事業者は1商品1カタログの原則が徹底されているため、顧客の商品の検索性、利便性を損なうことが低い

Amazonは16カ国でしか展開されていない

理由は明確でロジスティクスが発達しているかどうか。Amazonとしてサービスができない国では展開しない

AmazonのDNA

  • 地球上で最もお客様を大切にする企業であること

  • オンライン上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場所を創り、できる限り安い価格で提供できるように努力する

基本理念は「圧倒的なカスタマーセントリック(Working backwards from customer)」
何よりも品揃えを重視→結果、アマゾンに行けば欲しいものが必ず見つかるというユーザー体験を与えることができる

ベゾスの示した長期戦略の要点

  • 顧客にフォーカスする

  • ウォール・ストリートを意識した短期的な利益を目的とした投資ではなく、長期的な視野で投資する

  • 投資効果を分析し、成功と失敗から学習する

  • キャッシュフローの最大化

  • 倹約のカルチャーを貫く

  • 成長を重視

  • 優秀な社員の採用に継続してフォーカスする

Amazonの人材育成モデル

14のリーダーシップ・プリンシプル。アマゾンで働く人たちは「アマゾニアン」と自称している

  1. Customer Obsession
    顧客起点で考え、行動する。カスタマーから信頼を獲得し、維持する。

  2. Ownership
    社員全員がリーダーであるという考えが徹底されており、「それは私の仕事ではありません」は禁句

  3. Invent and Simplify
    シンプルでなければ、顧客にわかりづらい。シンプルでなければ、継続性が生まれない。チャレンジは奨励

  4. Are Right, A lot
    多くのことに正しい判断を下す。日本では、No judge, A lot (多くの場合決断しない)

  5. Learn and Be curious
    常に学び、好奇心をもつこと。

  6. Hire and Develop The Best
    最高の採用と人材開発を求む。各部署のマネージャーには1週間に1回30分程度の1on1を実施。キャリア開発へのアドバイス。

  7. Insist on the Highest Standards
    最高水準を積み上げろ。マイナーな問題でも拘る

  8. Think Big
    大きな視野で物事を考えろ。

  9. Bias for Action
    ビジネスにはスピードが重要。70%の確証があるのであれば、進めないといけない。トライ&エラーは許容されている。

  10. Frugality
    倹約の精神。小さな予算でチームでチャレンジする慣習がある。倹約して自らの手と頭を動かすことで新しい発見、イノベーションを生み出す

  11. Earn Trust
    敬意を持って接し、注意深く言葉に耳を傾けることが示されている。間違いは素直に認める。真摯で毅然とした賢明なリーダーになる

  12. Dive Deep
    深堀をする

  13. Have Backbone; Disagree and Commit
    敬意をもって異議を唱えること。分からないときは理解するまで質問をして、的確な決断をしなければならない。その分、決定したことには全力でコミットする必要がある。

  14. Deliver Results
    アマゾニアンは結果を出せ

  • ゴール設定はSMART
    S: Specific, M: Measurable, A: Achievable, R: Relevant, T: Time and bound

  • Every day is still Day One「毎日が常に1日目」

PowerPointの使用禁止、1ページャーと6ページャー

  • PowerPointの資料は口頭の説明が多く、後で振り返ったときによく分からないことが多い

  • 大半の資料は1ページャー、6ページャーの時は冒頭の15〜20分はドキュメントを読む時間が与えられる。1ページにまとめることは難しいが、行間を狭くしたりすることは許されない
    【5つの目的】
    - 効率化:ディスカッションをすぐに開始することができる
    - 質の高い質問とディスカッション:全員が同じ情報を持つことにより質問の内容が深くなる
    - 場の公平性:メモであれば、公平に自分の考えを説明することができる
    - 戦略的な思考:メモを書くことによってメンバーがデータや事実に基づいて考えることができる
    - 過去のアイディアや決定事項の記録

  • レビューは必ずやる。スペルミス等の間違いはドキュメントの信頼性を損なう。

  • フォーマットに則ることで提案内容を明確にする

  • 曖昧な単語は使わない(数字やチャートを効果的に使う)

Amazonの考えるイノベーションとは

  • 常に「普通という基準」を作り変える

  • 常に「お客様の期待や要望」を上回る

  • 常に「長期性」を重視する

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