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「インドネシア・西ジャワでM5.6の地震発生、数百人単位の人々が死亡」

バリ島に住んでいると、ここ10年の間でも体感できる地震はめったにないのですが、インドネシア全体で見ると地震や津波などは頻発しているようです。
先日発生した西ジャワの地震に関する報道の中から、なぜマグニチュード5.6の地震で数百人が死亡するほどの被害が出たのか言及されているものがありましたのでご紹介します。

インドネシアでマグニチュード5.6地震発生。なぜこの地震で数百人が死亡してしまったのか?
    インドネシア・ジャカルタ発のニュースによると、11月21日(月)マグニチュード5.6の地震が発生し、260名以上がビルや家屋の下敷きになって死傷。インドネシアのメインアイランドであるジャワ島に多くの島民が避難した。
最も被害の大きかった Cianjur の町では翌22日(火)朝からガレキの下に埋もれた死体が引き上げられているが、行方不明者はまだまだ見つかっていない状況。Cianjur はインドネシア最大の都市で首都のジャカルタから約135マイル(約217キロ)離れている。
    通常この大きさの地震でここまで建物が崩壊するほどの被害にはならないであろうとされているが、専門家によると、今回の地震は断層に近く、震源が浅かったために、地盤が大きく揺れたのだろうとのこと。詳細は下記。

月曜日の地震はそれほど大きいものであったのか?

    アメリカ地質調査所は、21日(月)の午後遅く地震が5.6の大きさを測定、震源の深さは6.2マイルと発表。
    この大きさの地震は通常広範囲の被害には至らない。ところがエージェントはこう指摘する:「マグニチュードが同じだからと言って、必ずしも被害は同等とは限らない。震源地からの距離、土壌、建築物の構造といった、別の要素により被害状況は大きく左右される」
    インドネシアでは、イスラム全寮制学校、病院や公共施設を含む数多の建築物、道路や橋などが崩壊。また、電気などインフラも止まっている。
なぜ地震により多大な被害が生じたのか?
    専門家によると、被災地が断層線に近いこと、震源地が浅かったこと、そして、建築物が耐震構造を供えていないことが要因であるという。
    「たとえ地震が中型だったとしても、震度が浅かった。そして、多くの人々が暮らす島との距離が近かった。もっと甚大な被害が生じていてもおかしくないほど強力な揺れでした」(インドネシア ジョグジャカルタ・ガジャマダ大学 准教授助地質学教授・Gayatri Marliyani 氏談)
Marliyani 氏によると、今回甚大な被害を受けた地域は複数の断層に近いという。
    断層は、地球の表層の岩盤に生じた長い亀裂である。ひとつの断層で地震が起こると、もう一方の断層がずれこんで別の表層にまで影響が出る。
    「おそらくこのエリアは、ジャワの別のエリアと比べて、島の大部分の断層があると考えられます。よく知られている断層もいくつもありますが、まだ分かっていない、活動している断層も多くあるでしょうね」(Marliyani 氏談)
    インドネシアの科学地質工学リサーチセンター学会の地震地質学専門家は、この地域の建造物が耐震構造ではないことも災害の一因であり、それが今回の規模の地震がこのような大惨事の原因となっている、と述べた。
インドネシアでは地震は頻発しているのか?
    インドネシアの人口は2億7000万人以上。火山弧(かざんこ、英volcanic arc)や「Ring of Fire」として知られる環太平洋地域の断層線上に一しており、地震、火山噴火、津波が頻発している。このエリアは約4万キロにおよび、世界の大多数の地震が発生している。
インドネシアで発生する地震の多くは被害が少ないためあまり知られることはないが、致命的な地震も発生している。
今年2022年2月には西スマトラ行政区でマグニチュード6.2の地震で25名が死亡し460名以上が負傷した。2021年1月には西スラウェシ行政区でマグニチュード6.2で100名死亡6500名以上が負傷。2004年のインド洋地震では多くの国々で23万人以上が死亡、ほとんどがインドネシアであった。

mpr.org ”Indonesia's earthquake had just a 5.6 magnitude. Why are hundreds of people dead?” November 22, 2022


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