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当事者になる ⑧引越の見積をとる

施設の入居が本決まりして、次は引越の準備です。
「もう大体用意出来ているし、持っていくものは決めているから。」
という伯母の言葉。
夏位までに移動かな、と思っていましたが、もうあの家での生活を
維持するのがきつくなっていたのかもしれません。

引越業者さんは全く見当がつかなかったので、不動産会社のTさん
に「どこかご存じのところがありませんか?」と聞いていました。
紹介された会社、そこ一択で進めることにし電話をしました。
「あの、、伯母が自宅を処分して老人施設に引越をしたいといい
 ます。今から5月中に引越って可能なんでしょうか?」
「まずはお見積りをしないと何とも言えませんね。」
最短で見積もりに来ていただける日程を押さえて伯母に連絡します。
「その日ならば都合がいいから、あなたは昼くらいに遊びにきな
 さいよ。」と快諾。ゴールデンウィーク後半の日程でした。

その日。
私は昼前に伯母宅に伺い、お昼ご飯をいただきながらお話を聞き
ます。引越業者さんがいらっしゃるのは夕方。
すっかり、片付いた本棚、そして食器棚。
伯母の覚悟が伺えるようでした。

時間ちょっと前に引越業者さんがいらっしゃいました。
「持っていきたいものはどれくらいありますか?」
その言葉に伯母は持参物をあげていきます。
「ベッド、タンスを一つ、椅子、あとは衣類や消耗品かしら。」
今回は施設のへの引越だけでなく、自宅の残っている不要品も
全て撤去する作業も込みで見積もりを依頼しておりました。
「お宅の中、全て見させていただいてよろしいですか?」
その言葉に伯母は2階から案内をし始めます。
私も後ろからついていきました。
クローゼットにはお洋服。伯母曰く「これはすべて持参します。」
和室には今時珍しい大きな和机が置かれていました。
押入れの中を引越業者さんが確認するともう何も入っていません。
てきぱきとメモをとりながら、下の階の確認に行きます。
下の階にはベッドと持参するというタンスがありました。
この二つは伯母のお気に入りの品物、施設にもお供することに
なりました。

「向こうのお部屋で要るもの、要らないものの区分けさえして
いただければあとはこちらが梱包して運ぶだけですから。」
との頼もしい言葉、引越作業に2人、不用品撤去には4人の
人手が必要だと説明があり、見積もりを作成していただきました。

あとでその見積もり額を調べたところ、引越+不要品撤去では
破格のお値段だったことが分かります。
伯母が本当に潔く断捨離をしていたことが功を成していました。
引越日は伯母の希望通りの5月半ばに決まりました。
当日はまずこちらの家で2、3時間作業し、向こうの部屋に
移動、その日の夕方には作業が終わるとの説明されました。

引越業者さんがお帰りになった後、伯母にお茶をご馳走に
なりながら。
本当に5月中に引越のめどが立ち、私は軽くショックを
受けます。
改めて、伯母の意思の力の強さに感服したのです。
引越日、そして不要品撤去にはまた私も立ち合いが必要と
なります。
会社への有給休暇の申請をしなければ。
ゴールデンウィーク明けにまずしなければならないことが
決まりました。




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