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『ただいま神様当番』お当番になった日。

2022年5月10日、『ただいま神様当番』が文庫になりました。

宝島社より発売中です

<あらすじ>
ある朝、目が覚めると左腕に「神様当番」という大きな文字が。
神様当番が回ってきた人は、神様の願い事を叶えなければなりません。
毎朝同じ時間にバス停で顔を合わせる5人のお当番さんの物語です。

文庫版は、装画を手掛けてくださったミニチュア写真家の田中達也さんとの特別対談も巻末に収録されています。田中さんとの初のドキドキ(←私は)対談、けっこうなボリュームでなかなかディープなお話をしております。
帯には、ライターの瀧井朝世さん、小説紹介&小説家のけんごさんが嬉しいコメントを寄せてくださいました。どうもありがとうございます!

さて、無事に発売となった翌日、5月11日。

朝、起きたら大変なことが起きていました……。

えーーーーーーーーーっ!!!

左腕にでっかく「神様当番」の文字が!!!
「お当番さん、みーつけた!」
あずき色のジャージを着た神様が現れ、「お願いごときいて」とな。

「わし、書店さんまわりしたいの」

まさかのまさか、私にも神様当番が回ってきたのです。
神様の願い事を叶えなければ、お当番は終わらず、腕の文字も消えません。
さあ、書店さんまわりに行かなくては!

「わし、横浜に行きたいの」
有隣堂横浜駅西口ジョイナス店さんへ。
たくさん平積み展開してくださりありがとうございます!
「わし、いっぱいいるねえ」
神様もとてもお喜びでした。

「わし、東京にも行きたいの」

神様のお願いにより、新宿に移動。
お昼になりましたのでここで腹ごしらえ。

天ぷら定食をおいしそうに召し上がる。
神様当番の文字は消えない……。
まだまだお当番のしごとはこれからのようです。

おなかがいっぱいになると、神様、街に出て書店さんをきょろきょろ探し始めました。

「あそこに大きな本屋さんがあるねぇ」
紀伊國屋書店新宿本店さんの応接室に入れていただく。
神様、ウキウキなさっているご様子。
サイン本書きを手伝ってくださる神様。
どうしてそんなに慣れていらっしゃるんですか…
左の袖口からちらっと「神」の文字が見えとるがな。
「わし、ATM行ってくる」
と言ってひとりで歩き出したので、
防犯カメラに映って警備員が来るんじゃないかと
本気で心配しました。
(大丈夫でした)
お次は、三省堂書店池袋本店さんへ。
多面展開で既刊もたくさん並べていただき感謝です!
「バス停にいるの、これね、わしなのー」
拡材を指さして得意げな神様。
ラストはジュンク堂書店池袋本店さんへ。
ツイッターで神様の様子をご覧になっていた
御担当者様とたくさんお話できて嬉しかったです。
「ここ、エンドっていうんでしょ!
いい場所!うれしいなあ」
ぴょこぴょこ踊り出す神様。
宝島社の営業さんと将棋に興じる。
「わし、書店さんまわり好き。とっても楽しかった」
ご満足いただけましたか、神様?
「わし、甘いものが食べたいの」
……わかりました。
地下のカフェに入っていく神様……
ナイスうずまき……いや、ちょっと違う。
神様はモンブランをお気に召したようです。

お茶しながら、神様といろいろなお話をしました。
神様は、本を作るのが大好きなんだそうです。
私もですよ、神様。

神様……そろそろですか…?

「雀さんがきたよ。可愛いねえ」

「大切に作った本が、会えない人や、
遠いところにいる人たちにまで届くのって、
すごいことだよ……ありがたいねぇ……」

本当にそうです、神様……。

その後、神様はしゅるると私の左手から腕の中に入り込んでしまい……。

帰宅して袖をまくると「神様当番」の文字は消えていました。
どうやら私のお当番も終わったようです。
楽しくて嬉しくて、いろんなことを思い出した一日でした。
神様とお別れしたあと、本当にさびしくなってちょっとだけ泣いてしまったことは、神様にはないしょです。

ご対応くださった書店さん、ツイッターでの「神様当番実録」を見守ってくださった皆様、どうもありがとうございました!

そして、これまで関わってくださったすべての方々に、心から感謝です。
私なりのペースで、ひとつずつ大切に、書いていきたいと思います。

<おまけ>

お、落とし物……!?