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地方自治を後退させ、中央集権を強める政府のデジタル改革~個人情報保護条例改定にどう対応するか~白石 孝 プライバシーアクション代表  三鷹市議会・いのちが大事が学習会

嶋崎英治のブログ「いのちが大事〜日々の思い」より転載

英治コメント:技術的助言としながら、「しなければならない」、「してはならない」及び「許容されない」としている。

 「改正個人情報保護法」と地方分権、地方自主権について

国から自治体には「技術的助言」が行われ、法的拘束力のある指示等ではないと国は位置付けているが、国の個人情報保護委員会が示す個人情報の保護に関する法律についての事務対応ガイドの中で、「しなければならない」、「してはならない」及び「許容されない」と記述している。 


(1)事務対応ガイドについて


 地方自治法第245条の4に規定された技術的な助言であるにもかかわらず、しなければならない、してはならない及び許容されないとしていることは、国による統制であり、「改正個人情報保護法」は、地方分権及び個人情報保護の後退につながる恐れがあり、地方自主権の侵害でもある。

2022-09-22いのちが大事学習会-英治-個人情報保護条例「改正」

個人情報保護法「改正」伴う「三鷹市個人情報保護条例の改正廃止等に関する骨子(案)」の現状と課題


いのちが大事・嶋﨑英治


個人情報保護条例と保護法制の歩み



□個人情報保護条例は1970年代半ば以降、地方自治体がリーダーシップをとって、東京都や国に先駆けて制定してきた。


 三鷹市個人情報保護条例並びに三鷹市情報公開条例は、1987年12月25に制定された。


国立市は1986年に、情報開示・中止・訂正を旨とする自己情報コントロール権を謳った情報公開条例並び個人情報保護条例を制定した。 


 三鷹市個人情報保護条例は、その目的を条例第1条で次の通り謳っている


第1条 この条例は、個人情報の開示請求等の権利を保障するとともに、個人情報の適正な取扱いについて必要な措置を講ずることにより、個人情報を保護し、もって市民の基本的人権を守ることを目的とする。


三鷹市情報公開条例の付則に次の通り謳われている。


 三鷹市民は、基本的人権としての知る権利の実効的保障が、日本国憲法の保障する地方自治の本旨の実現と市民生活の向上に向けた情報の確保にとって、極めて重要であることを確認する。


このような認識の下に、市の諸活動を市民に説明する責務が全うされるよう、市はその保有する情報を広く公開することを原則とし、かつ、個人に関する情報を最大限に保護しつつ、情報公開制度の総合的な推進を図るものとする。


このことによって、市政への市民参加の一層の推進と公正で民主的な市政の発展に寄与するため、この条例を制定する。


 


 6月及び9月議会で一般質問



河村市長「まだ事務的に詰め切ってはいない」として、

具体の答弁無し。

2022年6月2日 第2回定例議会において一般質問7項目


1「改正個人情報保護法」と地方分権、地方自主権について


(1)ガイドライン及び事務対応ガイドについて


(2)条例による上乗せ、横出しについて


(3)個人情報の定義の変更について


(4)死者の「個人情報」への遺族からのアクセスをどのように保障するか


(5)口頭での開示請求について


(6)開示請求と訂正請求・利用停止請求の関係について


(7)条例改正において留意すべきことについて


 


2022年9月5日第3回定例議会において一般質問


「個人情報保護法の改正に伴う三鷹市個人情報保護条例及び関連条例の改正・廃止等に関する骨子(案)」について


  第2回定例会の市政に関する一般質問で「改正個人情報保護法」と地方分権、地方自治権について質問をいたしました。市長から「まだ事務的に詰め切ってはいない」旨の答弁があったところですが、「個人情報保護法の改正に伴う三鷹市個人情報保護条例及び関連条例の改正・廃止等に関する骨子(案)」が、本年8月18日に公開されましたので、改めて質問いたします


 


ア ガイドライン及び事務対応ガイドについて



Q19 「改正」個人情報保護法に関して策定された「ガイドライン」及び「事務対応ガイド」に従わなかった場合、国からのペナルティーはありますか。市長の見解をお聞きします。



イ 個人情報保護条例及び個人情報保護委員会について



 「改正」個人情報保護法によれば、既に条例が制定され施行されている分野について法律で一律に規制をかけます。それは異例であり、地方自治の本旨に反します。しかも本市においては個人情報保護条例が先駆的な役割を果たしてきています。


 法律で画一化することで個人情報保護の後退を招くことになれば由々しきことであり、合理性を欠く規制として条例制定権を侵害することになります。

地方公共団体は、住民と直接的に関わることから、地域の特性

に応じて必要な個人情報の保護の施策を講じてきました。本市においても、個人の権利やプライバシー、利益の保護のために独自のルールで必要な保護措置を講じてきました。その結果、大量かつ多量な個人情報を保有しています。


Q20 本市が講じてきた先駆的な施策や個人情報は今後どうなるのでしょうか。


Q21 三鷹市個人情報保護委員会の名称を「三鷹市個人情報保護制度運営委員会」とし、審議内容も変更する予定です。なぜ、名称変更をし、審議内容を変更しなければならないのでしょうか。変更しなければ国からのペナルティーがあるのでしょうか。

ウ 開示請求及び情報公開請求について


Q22 三鷹市民が個人情報及び本人情報の取扱について、異議はどのような手続きで、どこに申し立てするのでしょうか。


 情報の開示・公開を求めるにあたって、または三鷹市政情報の公開請求をするにあたって、「権利を濫用することなく」適正な請求を行わなければならない旨、定めようとしています。


Q23 権利の濫用に当たるか否か、誰が、どのような手続きを経て決定するのでしょうか。



講師の白石孝さん(#プライバシーアクション代表 #官製ワーキングプア ―研究会理事長)

地方自治を後退させ、中央集権を強める政府のデジタル改革
~個人情報保護条例改定にどう対応するか~
白石 孝 プライバシーアクション代表


 9/22(木)夜の「情報は誰のもの?~個人情報保護条例「改正」案パブコメ緊急学習会」無事終了しました。本当に緊急にもかかわらず、繰り合わせてご参加くださった皆様、ありがとうございました。
三鷹市でのパブリックコメントの受付は10/11までです。市民の皆さんの声を届けてください。
当日の講師、白石孝さんの資料、いのちが大事作成「三鷹市の骨子案に対する問題点とパブコメのポイント」は以下のフォルダをご覧ください
https://drive.google.com/drive/folders/1ftdjOXQ_7i69pQcMJNd3vNctS9zFhapE?fbclid=IwAR1-RpiMO_ZflVsutdb236WAkWN8kTIV9GmxObhlJ52Koj74ItxTndqCzSc

三鷹市『個人情報保護法の改正に伴う三鷹市個人情報保護条例及び関連条例の改正・廃止等に関する骨子(案)』
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_pubcome/098/098639.html
広報みたか2022.9.18 パブリックコメント募集案内
https://www.city.mitaka.lg.jp/koho/p3.htm#1

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