2022.8.3 参政党に公開質問状提出 有機フッ素化合物PFASについての公開質問
2020年1月6日、朝日新聞にてショッキングな記事が紙面を飾った。
「横田基地近くの井戸から有害物質、米国の飲用水基準の19倍」
それは、米国の専門家たちが「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」とニックネームを付ける有機フッ素化合物、PFASという日本人にはあまり聞き慣れない物質が東京の水源井戸を汚染しているという現実であった。
5千種類ほどあると言われる有機フッ素化合物の総称がPFASであり、そのうち特に毒性が強いとされるのがPFOAとPFOS。
2020年1月6日の報道によれば、都福祉保健局は昨年1月、横田基地に近い4カ所の井戸でPFOA、PFOS両物質の濃度を調査し、このうち立川市にある井戸で両物質合わせて1,340ナノグラム、武蔵村山市にある井戸で同143ナノグラムを検出したという。
2010年度から4年間、都環境科学研究所が、23区を含む都内の地下水を研究目的で調査し、基地に近い立川市にある事業用の井戸で2010年度、両物質の合計272ナノグラムを検出した。継続調査では、569ナノグラム(2015年度)から284ナノグラム(2018年度)で推移していた。
さらに都は2019年5月以降、過去に濃度が比較的高かった6浄水所で臨時調査を実施し、国分寺市にある東恋ケ窪浄水所で両物質合計で1リットル当たり101ナノグラムを検出。こうした事態に対して、都は、米勧告値の半分(35ナノグラム)を超えないよう管理する方針を独自に決め、府中市にある府中武蔵台浄水所(2019年の臨時調査の60ナノグラム)と、国立市にある国立中浄水所(2018年の調査で38ナノグラム)を加えた3浄水所の水源井戸の一部からくみ上げをとめたと朝日新聞が2020年1月6日に報道した。
都は、2019年6月から現在まで有機フッ素化合物が検出された水源の井戸からのくみ上げを停止している。
国内でPFASによる水汚染が最も深刻なのが、31の米軍専用施設があり、その総面積は1万8,609ヘクタールを占めていて、米軍基地は沖縄県の総面積の約8%、また沖縄本島に限定すれば約15%の面積を占有している沖縄県だ。
沖縄の人たちがこのPFASの存在を知ったのが、2016年1月18日の事だった。
県企業局は、沖縄県北谷浄水場の取水源の河川や地下水から高濃度のPFOSが検出されたと発表された。
その影響は約45万人にまで及んでいる。
沖縄県ではPFAS汚染は現在日本の基準値の約34倍を記録するなど、かなり高い数値を記録し、その汚染源は、極東最大級の米空軍基地とされる嘉手納基地にある可能性が高いと見られる。
耐熱性、耐油性、耐水性に特に強く、テフロン素材のフライパン、ご飯がくっつかない釜、汚れや水を寄せ付けない生地や靴、カーペットなどの織物、家具などなど、生活に密着した様々な用途で現在幅広く使用されている、PFAS。
日本における主な水源汚染の元は、米軍が訓練に使用している泡消火剤、その流出から水源を汚染している、と言われている。
PFAS規制に関して、日本では水道水1リットル中のPFOS・PFOA合算の濃度で50ナノグラム以下が安全性の目安としているが、専門家の中では日本におけるこのPFAS基準値はまだまだ高く、10ナノグラムを基準値とし、規制ももっと強化すべきとの声も挙がっている。
その物質が人体に及ぼす影響は、母胎が体内にPFASを含んだ場合の低体重出産、子宮内で暴露すると子どもの免疫系を損傷し、乳幼児の感染症抵抗力の減少、発がん性、ヒトの血液、免疫系、肝臓、腎臓などの障害と関連付けられている。
そして新たに米国バイデン政権は2021年10月にPFASに関して規制を強化する方針を発表しており、その基準値はPFOAは0.004ナノグラム、PFOS0.02ナノグラムに変更された。(現在の新基準値は4ナノグラムに変更される事が決まった)
日本での認知度は低く、日本の国会議員もこの問題に対して積極的に国会内において暫定基準値の変更や、PFASを含んだ生活商品の規制などに取り組む動きはまだまだ鈍い。
米国では「国家的危機」と宣言するに至ったこのPFAS汚染。
沖縄県企業局は「国家規模で議論されるべき問題で、日米合同委員会に掛る必要がある」と説明し、日米地位協定に基づき嘉手納基地内の立ち入り調査を求めるも、現在まで立ち入り調査が行われていない現実がある。
日本政府が動かない限りこの問題は、解決の方向に動くことはないと私は考える。
そこで国政政党である貴党のPFASに対するお考え、その理由をお示しいただきたい。
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