見出し画像

映画『エゴイスト』ーー無償の愛

 映画『エゴイスト』を鑑賞した。
 鈴木亮平、宮沢氷魚、阿川佐和子ら出演。監督は松永大司。

 本作は、鈴木亮平演じる浩輔と宮沢氷魚演じる龍太の愛の物語だ。
 浩輔は高級マンションに住み、ブランド品で身を纏う敏腕編集者で、社会的階層の上層に属する。一方の龍太は「売り」で生計を立てるしかなく、社会的階層の下部に属する。そんな二人がふとした出来事を通して出会い、愛し合う。
 浩輔は龍太を「買う」ことで関係を続ける。龍太は愛する浩輔から金を受け取ることに後ろめたさを感じていたが、次第にそれを受け入れるようになる。何故龍太は浩輔からの援助を受け入れるようになったのか。それはきっと浩輔の「買い」が売春ではなく贈与だったからだろう。ただ愛する人のため、金のある方がそれを相手に使うことは、何もいやらしいことではない。二人の間には「支配-被支配」の関係性はなかったはずだ。
 誰かを頼ること、迷惑をかけること、それは現代社会では忌避されることである。だが、愛し合った関係ならば、迷惑をかける、頼る、といったことをしてもいいのではないか。損得勘定抜きに。

 本作の監督である松永大司監督は、RADWIMPS野田洋次郎と杉咲花らが出演、映画『トイレのピエタ』の監督としても有名だ。病が作中で重要な役割を果たすというところは本作に通ずるところがある。『トイレのピエタ』もこの機会にもう一度観たい。

#エゴイスト
#鈴木亮平
#宮沢氷魚
#阿川佐和子

https://egoist-movie.com/index_sp.php

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?