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羽毛布団とフラッシュダンス

寒波もひと段落かと思ったが、まだまだ寒い日が続く。
朝方は特に冷え込みが厳しく、年季の入った掛け布団の隙間から寒気がしみ込んでくる。

どこから見つけてきたのか、妻が浅草橋で羽毛布団の特売会をやっているという。冬も後半戦に入ってしまったし、出遅れ感があったが、散歩がてら見に行くことにした。

特売会は浅草橋のビルにある貸し会議室でひっそりと開催されていた。会場には所狭しと布団が並べられており、10人くらいの販売員さんがいた。最終日の夕方ということもあり、客は我々だけだった。

会場では古めの洋楽が流れていて、シンディ・ローパーやらシカゴやら80年代のオンパレードだった。

羽毛布団は3万円、5万円、7万円と始まり、高いものになると80万円くらい。予備知識ゼロで値段の違いが全くわからなかったこともあり、50代くらいの知識が豊富そうな販売員さんがアレやコレやと値段の違いについてレクチャーしてくれた。パッとみる感じ、やはり高い布団は分厚い。

ダック、グース、マザーグースの違いの説明が始まった途端、「フラッシュダンス」が流れてきた。
フラッシュダンスと羽毛の話のチグハグな感じが妙に滑稽だった。

会場にあるベッドでいくつかの羽毛布団を試したけれど、いまいち違いがわからず、何も買わずに会場を出てきてしまった。
10人くらいの販売員さんのため息が聞こえてきたような気がした。

特売会の帰り、前から気になっていたイーグルコーヒー、ではなく「Bridge COFFEE & ICECREAM」というカフェに寄った。車で通り度にこのお店のファサードが気になっていた。

レトロな外観とは裏腹に、店内はモダンな感じで店員さんもお客さんもナウいヤングな若者ばかりだった。

布団。
結局、家にあった古い毛布を引っ張り出して2枚掛けすることにした。
あと1ヶ月かそこらで3月だ。

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