見出し画像

[英詩]Bob Dylan, 'Jokerman'

※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。

※「英詩が読めるようになるマガジン」の本配信(歌われる英詩)です。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(201610)」へどうぞ。

この継続課金マガジンは月に本配信を3回配信します。そのほかに副配信を随時配信します。本配信はだいたい〈英詩の基礎知識〉〈英語で書かれた詩〉〈歌われる英詩〉の三つで構成します。「忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスに! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介します」というキャッチフレーズでやっています。

歌われる英詩のバックナンバーはこちらをご覧ください。

今回はボブ・ディランの'Jokerman'をやります。

難解な歌が多いことで知られるディランの歌の中でもとりわけ難解なのがこの歌です。研究書が千冊もあるのに、知る限りでは、この歌についてきちんと分析をした研究はほとんどありません。

しかし、歌そのものは、Mark Knopfler のごきげんなギターとともに印象に残ります。問題は詩なのです。詩に興味がない人は歌だけでも楽しんでください。

動画リンク

 'Jokerman' が収められたアルバムは 'Infidels' (1983) です。

以下、主にディランと黙示録との関係に焦点を当てつつ考察します。

取上げる詩のスタンザ本文、日本語訳、構文、韻律、解釈が続きます。

***

第1連、リフレーン

Jokerman
Bob Dylan

1. 
Standing on the waters casting your bread
While the eyes of the idol with the iron head are glowing
Distant ships sailing into the mist
You were born with a snake in both of your fists while a hurricane was blowing
Freedom just around the corner for you               5
But with the truth so far off, what good will it do?


(Refrain)
Jokerman dance to the nightingale tune
Bird fly high by the light of the moon
Oh, oh, oh, Jokerman

ここから先は

9,015字 / 1画像
この記事のみ ¥ 900

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?