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[sean-nós] 上皇后とシャン・ノース

ITMA が公開した Sarah Ghriallais のインタビュー動画は貴重なもので、大変興味深い(下)。

Sarah Ghriallais, ITMA (17 Nov 2022)

この動画で Sarah は歌を披露し、ある歌が、訪愛した上皇后美智子さまに感銘を与えたエピソードを語る。また、その歌の英訳についても語る。

動画('Drawing from the Well SAOITHE Sarah Ghriallais')の主要な内容、ITMA, Sarah Ghriallais, Brian O'Rourke について簡単にまとめておく。


Drawing from the Well SAOITHE Sarah Ghriallais

Time  Content
13:18 Caoineadh
19:40 Brian O'Rourke (translated Amhrán Mhuínse)
22:19 Amhrán Mhuínse
29:02 Meeting with the Queen of Japan
48:40 An Sagart Ó Domhnaill

'Queen of Japan' は訪愛中の上皇后(当時の皇后)のことと思われる。Sarah はそのとき 'Sagart na Cúile Báine' と 'Amhrán Mhuínse' とを唄うと、皇后は彼女のところへ来て握手されたという。皇后は大学時代、アイルランドのシスターたちに教わったことを話された。皇后は歌のCDとカセットとを所望された。皇后へは Brian O'Rourke が送った。皇后は、彼女に日本へ来て最低1ヶ月ほど子供たちにシャン・ノースを教えてほしいと希望されたが、彼女は当時妊娠中で行けなかった。


ITMA

ITMA (Irish Traditional Music Archive / Taisce Cheol Dúchais Éireann, 73 Merrion Square, Dublin 2, Ireland D02 WK75) は、アイルランド伝統音楽の資料館。

おそらく世界最大のその種の資料を収蔵する。近年はオンライン公開にも力を入れている。

上の動画は、新しいオンライン・シリーズ 'SAOITHE' の一つ。

筆者は、毎年のようにここに調査研究に訪れていたので、動画に映る同館のようすは懐かしい。



Sarah Ghriallais

シャン・ノース歌手。1984年にオリアダ杯(Corn Uí Riada)を獲得している。

アイルランド西部コナマーラの Muiceanach Idir Dhá Sháile 出身。Griallais 姉妹は歌い手として著名。


Brian O'Rourke

上の動画でシャン・ノースの歌を英訳した人として紹介されるが、話に出た 'Amhrán Mhuínse' の英訳は 次の書 に収められている(同書では 'Amhrán Mhughinse' と表記)。

Brian O'Rourke, 'Blas Meala' (Irish Academic P, 1985)

Brian O'Rourke, 'Blas Meala' (1985)

筆者の手許にある同書のハードカヴァー版の扉には、Sarah Ghriallais のサインがある。

'Blas Meala', title page

同書の歌を収めたカセットがあるが、そこで 'Amhrán Mhughinse' を唄ったのが、Sarah Ghriallais (Sorcha Bean Uí Chonfhaola) だった。

#シャンノース #SarahGhriallais  #BrianORourke #ITMA

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