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ディランが改宗した頃

われわれは Al Kasha に感謝すべきかもしれない。

1978年11月頃に起こったといわれるユダヤ教徒ボブ・ディランのキリスト教徒への改宗の次第はよく知られている。

そしてその後に起こったとされるユダヤ教への復帰の「噂」のことも。

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ユダヤ系のメディアを読むと、ボブ・ディランは「ノーベル文学賞を受賞した15人目のユダヤ人である」と高らかに謳ってある。

「噂」は本当なのか。

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1978年11月にディランが体験したとされる出来事をディラン自身の言葉で聞く限り、簡単に覆ることには見えない。それは圧倒的な体験なのだ。人生を変えて当然と思われる。

ある意味で聖パウロの目から鱗が落ちた体験に匹敵するほどの出来事である。

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性急な判断をしたメディアは助けるよりも傷つけたと Al Kasha はいう。

表面的なことを見るだけではわからない。

ことの本質はおそらく目に見えないところにある。

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Al Kasha はディランは洗礼を受けたと証言している。

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Al Kasha に感謝せねばならないのは、彼がCBSレコーズ(Columbia)でA & Rマン(制作部員)として働いていた頃にディランの1枚目のアルバム 'Bob Dylan' が7,000枚しか売れなかったため、会社がディランを切ろうとしていた会議で発言したからだ。彼は立上がり、足が震えながらも(当時彼は20代前半の若造で、会議には重鎮プロデューサたちが居並んでいた)、「彼を切ることはできない。彼は偉大なソングライタだ」と言ったのだ。自身がソングライタである彼の意見は最終的に通り、ディランが消えることはなくなった。

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のちに改宗後のディランがアルバム 'Slow Train Coming' (1979)の全曲を書いたのは Al Kasha の家においてであった。ディランは当時南部バプティスト教会の牧師となっていた Al Kasha が開いていた聖書の勉強会に参加していた。 

[Al Kasha]

#Bob_Dylan #Al_Kasha #Slow_Train_Coming #Columbia  


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