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乳化剤のはなし

今回取り上げるのは「乳化剤」という食品添加物です。ですが、乳化剤の事を書く前に一つ疑問があります。そもそも乳化ってどんな現象なのでしょうか。単に白濁させるというわけではないと思いますが・・・。

乳化は英語でエマルジョン(Emulsion)といいます。本来混じり合うことのない二つの物質を物理的に均一に混じり合った状態を指します。混じり合わない物の例えでよく出て来るのが水と油ですが、これを混ぜてしまうために使用する物質が「乳化剤」と呼ばれる物なんです。

水と油なら強く振盪すれば一時的に混ぜることも出来ますが、安定した状態になっていないのですぐに分離してしまいますよね。これを安定して均一な状態に保つのが乳化剤というわけです。

同じ働きを持つ物質のグループがもう一つ存在していますが、ご存じですか。界面活性剤というグループなのですが、これは乳化剤と比べて、どこが同じで、どこが違うものなんでしょうか。

じつは単純な理由でした。食品に使うものが乳化剤で、食品以外の用途で使うものが界面活性剤、つまり「食べることが出来るか出来ないか」の差だけだったようです。ちょっと意外でした。しかし、実験などで用いる場合は「界面活性剤」といいますが、食品でこんな名前は出て来ません。乳化剤も同様で、実験では出てこない名前です。

乳化剤は本来混ざり合うことが無いもの同士を均一に混ぜてしまうものですが、働きや用いる目的となると、じつはその他にもいろいろとありました。食感を滑らかにしたりソフトにしたり、その他にもいろいろと目的があるようです。

乳化剤の事を調べていくと、このような働きを期待して使っていることが分かりました。乳化はもちろんですが、その他にも「起泡効果」「消泡効果」「分散効果」「湿潤・浸透効果」「滑沢効果」「可溶化効果」「洗浄効果」、この8つの作用があるとのことでした。でも、名前だけ羅列してもどんなことなのか分かりませんよね。

アイスクリームのような場合は細かい気泡を中に入っていることで滑らかになりますし、ジャムのような場合は中の気泡を消してしまうことで滑らかさを出すことが出来ます。細かな固体を液体の中で均一に混ぜるのは「分散効果」だそうです。水分のような液体を固体になじませたりする時には「湿潤・浸透効果」になりますし、これによって水などに入れて溶いた時にだまになりにくくなります。水に溶けない物質を溶けたように均一に混ぜてしまうのは「可溶化効果」で、食品の表面につやを出したりする働きは「潤沢効果」、汚れを取り除く働きは「洗浄効果」と呼んで、それぞれを区別しているようです。洗浄といっても、洗剤のように強い効果があるわけではないようですが。

このように、乳化剤っていろいろな働きがあるんですね。期待する効果に応じた物質を添加するという事になるのでしょう。調べた記事によって多少の表現の違いはありましたが、およそ上記のような内容になっていました。この働きはどれをとっても、馴染みのありそうなモノばかりだと感じました。

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