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アレルゲンの表示

食品についての表示で最も関心が高いものの一つに「アレルゲン」というものがあります。アレルゲンというのはアレルギー反応を起こす原因物質といった意味ですが、食品にそのような可能性のある物質が含まれているかどうかを示しているという意味になりますね。これは表示されていないと、非常に危険です。

アレルギー反応自体は何も食品ばかりで引き起こされるものではありません。花粉やダニ、ほこりなどでも生じます。ただ、食品表示の場合のアレルゲンとは「食物アレルギーの原因となる物質を指す」と定義づけられています。アレルギーの反応の出方は人それぞれといった感じもありますが、最悪の場合は死に至る可能性も出てきます。アレルゲンの表示は必須ですよね。

ではその食物アレルギーを引き起こす物質って、どんなものがあるのでしょうか。エビやカニといった甲殻類、そば、小麦、タマゴなどはアレルギー反応を引き起こす物質として有名ですが、これだけではありません。もっともっと数多くのアレルギー反応を引き起こす物質が知られています。

アレルゲンとしての表示は食品表示法の中で定められていますが、現在は28品目になっています。その中でも、8品目は特定原材料として食物アレルギー義務表示対象品目となっています。もし食品の中に原料や材料として特定原材料に指定されている8品目のどれかが含まれていれば、これは必ず記載しなければなりません。反対に、含まれていなければ記載の必要はありません。

また微妙な表現になりますが、食品の箱や袋などの包装に「一部〇〇〇を含む」とか、「〇〇〇由来」とか、このようになっている場合もあります。アレルギー反応を起こす可能性がゼロではないという意味なので、アレルギー体質を持つ人にとっては重要な情報ですね。

アレルゲン自体はまだまだあるんです。「特定原材料に準ずるもの」で、20品目が挙げられています。この「特定原材料に準ずるもの」という言葉の意味は、特定原材料ではありませんがアレルギー反応を引き起こす症例の数や重篤な症状を引き起こされる人の数が継続して相当な数みられるものの、特定原材料に比べると少ないものを指します。そして、可能な限りアレルギー表示をする様に努める事とされているものです。推奨表示ということになりますね。

具体的な品目を挙げていきます。

食物アレルギー義務表示の対象品目、つまり特定原材料は、「えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)」の8品目になっています。
特定原材料に準ずるものとしては、「アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、 ゼラチン」の20品目です。

ゼラチンはちょっと意外かもしれませんが、調べてみるとちゃんとした理由がありました。それは、「ゼラチンは牛肉や豚肉の由来であることが多く、これらは特定原材料に準ずるものであるため、既に牛肉、豚肉としての表示が必要である。しかし、パブリックコメントにおいて「ゼラチン」としての単独の表示を行うことへの要望が多く、専門家からの指摘も多いため」ということで、他の19品目とは別に独立した項目になっています。

もう一つ、アレルゲンにかかわるもので、このような表示を見たことはありませんか。
「同じラインで〇〇(特定原材料等)を含む商品を製造しています」
「〇〇(特定原材料等)が混ざる漁法で漁獲しています」
私は下側の表現を見たという記憶はありませんが、上側の表示は何度も目にしています。

これらは、特定原材料等が意図せず混入(コンタミネーション)している可能性を示しています。万が一ということですが、アレルギー体質の人にとってはこの情報にも注意が必要です。

このような「混入(の可能性)」は基本的には原料ではありませんので、普通に考えればアレルギー表示義務はありません。しかし、アレルギーはごく微量でも発症することがあります。必要に応じて、消費者側への情報提供として記載することが望ましいとされています。

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