見出し画像

次の100年へ繋げる、事業承継を目指して

はじめに

はじめまして。株式会社egumicultureの大津と申します。
この度、宮崎市の老舗パン屋「ミカエル堂」の事業を承継しました。

今回の事業承継に関しては、ぜひプレスリリースをご覧ください。

ミカエル堂について

宮崎市以外の方ですとご存知のない方も多いかもしれません。
ここで、ミカエル堂について少し説明をさせて頂きます。

創業は1927年、昭和2年まで遡ります。創業者の都成 昌道氏は、お兄様が始められた酪農(現・白水舎乳業)を手伝っておられましたが、その後独立をして、ミカエル堂を立ち上げられたそうです。パン作りの技術は教会の牧師さんから教わったということでした。

余談です)
都成兄弟と牛乳とパン。間違いなく宮崎市の食文化を支えて来られた、起業家兄弟だったと思います。この創業時の話は都成さんにインタビューをして、別の機会に詳しくまとめたいと考えております ^ ^ 

三代にわたって経営されてきたその長い歴史の中で、学校給食、病院、教育機関、一般企業など広くパンを卸してきました。また、宮崎市内のほとんどのスーパーにミカエル堂のパンが並んでおり、宮崎市内でミカエル堂のパンを食べたことのない人を探す方が難しいのでは?と思うほど、地元のパン食文化に深く根付いています。

宮崎名物・ジャリパン

ミカエル堂の人気商品「ジャリパン」は、地元の人々愛され続けてきた商品で宮崎を代表するローカルパンとしても有名です。

宮崎の方でなくとも、大手コンビニさんに並ぶ「ジャリパン」を食されたことのある方がいらっしゃるかもしれません。

コッペパンにグラニュー糖入りのバタークリームがたっぷり挟まっていて、ジャリジャリとした食感が特徴の菓子パンです。
このジャリパンはミカエル堂が発祥と言われています。

元々はバタークリームロールという名前だったそうですが、学生たちがその食感から「ジャリパン」と呼び始めたことで、商品名を「ジャリパン」に変更したそうです。

▼参考:甲斐みのりさんの「地元パン手帖」
ジャリパンも掲載されています。この本を読むとローカルパンの奥深さに触れることができますよ ^ ^ (現在は入手しづらいかも…)

▼参考:東芝データ株式会社プレスリリース
ジャリパンがどれだけ売れていたかがわかる、面白いデータです。
2022年のデータですが、第14位に入ってます↓

今回の事業承継の目的

まず第一に「ミカエル堂」と「ジャリパン」を残してほしいという都成さんの思いに強く共感をして、今回の事業承継を決めました。

「ミカエル堂」と「ジャリパン」を後世に残す

これが第一の目的です。
事業承継を決心して、初めての事業承継=M&Aを経験していく過程で、第二の目的も芽生えました。

それは、

前提に捉われない事業承継のあり方を示していきたい

ということです。

ミカエル堂の件について最初に問い合わせをさせていただいた際は、全く自分には手に負えないものだと思いましたし、承継できたとしてもビジネスとして成功させることは不可能ではないか、そんなことばかり頭に浮かびました。

それでも、結局は使命感や興味や探究心が勝り、どうすれば自分の手でも負えるようになるのかどうすればビジネスとして成功させることができるかを模索するようになりました。

私のように最初の入り口で、前提に圧倒されて身を引いてしまう、継ぎ手候補って結構いるのかもしれないと思います。

ハードルが高いのであれば、それを越える方法が一つではなく、ハードルを潜ったり、倒してみたり、実はいろんな方法があるということを私たちのビジネスの過程を通じて、継ぎ手を目指す方、継ぎ手を探されている方へ「こんな事業承継のカタチもありますよ」ということをお伝えしていけたらと考えております。

ジャリパン専門店としての再出発

前項でお話させていただいた2つの目的を持って、新しいミカエル堂では、伝統的なジャリパンのレシピを守りつつ、新たなバリエーションを取り入れた「ジャリパン専門店」として展開します。

この事業体でスタートする理由はいくつかあります。

・初期投資を極力抑えて
・オペレーションの省力化、最適化を実装しつつ
・ジャリパンの価値を再定義する


ことを目指しているためです。

原材料・人件費は皆さんもご存知の通り、年々上がっておりジャリパンもこれまでの価格では提供できないことが、現時点でわかっています。

原材料・人件費はコストコントロールが難しいですが、初期投資のコントロールやオペレーションの省力化は知恵を絞ればコントロールが可能です。

具体的には、製造をジャリパンに絞ることで導入する機械構成やオペレーションの組み方をミニマムにすることができます。これにより販売価格への影響を抑えることができます。

それでも争いようもなく販売価格は上がってしまいますが、価格が上がっても「それでもミカエル堂のジャリパンが食べたいんだ!」そう思っていただけるように、私たちはジャリパンの価値を再定義する努力をしていかなければなりません。

これが、新しいミカエル堂の一番のチャレンジであり、クリアしていかなければならない課題でもあります。

地域コミュニティとの共創

再出発においてさらに強化をしたいのが、地域コミュニティとの共創です。
ミカエル堂、そしてジャリパンを通じて、地元経済へ貢献し続けることは、事業の成功とニコイチで実現していかなければなりません。

これを実現していくには、地元の事業者の方々、自治体、市民の皆様との連携が不可欠ですし、ミカエル堂自身がコミュニティに密着した存在であり続けることが重要です。

ここまで書いてはみたものの、正直、まだ具体的なことが考えられていません。まずは、このような意思表明をし続けること、地域の方と出会い、対話し、関わりを大切にしていくことから、一歩一歩積み重ねていきたいと思います。

次の100年の1年目として

この記事のタイトル【次の100年へ繋げる〜】と自分で書いておきながら「100年だなんて、随分と壮大だな」と思ってしまいました。

たしかに100年と語ってしまうと壮大に聞こえますが、分解すれば1年の積み重ねであり、1日の積み重ねです。
100年という自分の人生をも越える期間を事業として生き抜くには、変化し続けることが絶対だと考えています。

その上で、次の100年へ繋がる1年目として、まず私たちが取り組むことは、ただ一つ。ミカエル堂のジャリパンをお届けすることです。

まずはその一点に向かって、全集中で取り組んで参ります。


クラウドファンディング実施中

ミカエル堂では、現在クラウドファンディングを実施しております。
ご支援のご検討・プロジェクトの拡散にご協力をいただけると幸いです。


ミカエル堂 各種SNSでも情報を発信しております。
フォローいただけると大変励みになります!!


▼X (旧Twitter)
https://x.com/michaeldou1927

▼Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=61561723750072

▼Instagram
https://www.instagram.com/michaeldou1927/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?