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『ピタゴラ装置 DVDブック』ノート

装置制作 慶応義塾大学佐藤雅彦研究室
小学館刊

 先日、久しぶりにNHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」という番組を観た。たまたま土曜日の朝にチャンネルを回していたら、放映されていた。
 私がこのDVD付きの本の第1巻と第2巻を買ったのは2007年だから、随分前だ。いまだにこの番組が続いていることに驚き、かつホントに面白いことを考えるなぁと感心した。
 それにしても次から次と新しい装置を思いつくものだと思う。本に付いているDVDを観たが、何度観てもいつも新鮮な驚きがある。
 これだけ長く続いているのは、製作者が楽しんで作っているからだと思うが、観ている方も思わずニコリとしてしまい、拍手をしてしまいそうになる。しかし、これだけの装置を作り上げるのは簡単ではないと思う。あらかじめ研究室で試作して、撮影に臨んでいるようだが、映像完成に5時間くらいはかかるという。

 ご存じの方に説明するのも無粋だが、身近に転がっているいろんな物を使って作ったレールなど通路(これがまた単純な通り一遍の通路ではない)を鉄球やビー玉などが力の伝達装置として転がり、次々と方向や高さや位相、伝達方法をいろんなからくりを通じて複雑に変えてゴールまで伝わる。そして軽妙な音楽とともにフィニッシュしたら〝ピタゴラスイッチ〟と文字が出て、歌が流れる(音階で表現すると♫レミッ・レミッ・ド・シッ・ソ)。歌はときどき違うバージョンもある。まるで超複雑な、計算され尽くした三次元ドミノ倒しのようだ。
 ただ、中には複雑性ばかりでなく、非常に単純で意表を突く装置もある。一つひとつの発想が面白いのだ。

 あとがきに書かれているが、このプロジェクトの中心者の佐藤雅彦教授が、いろんな国に出張などで出かけたとき、「きれいだとか、かっこいいというだけで意味もなく集めた膨大な数の日用品や薬のパッケージ、文房具やおもちゃなど」をこの企画のために集めたかのように使って、数々の装置を生み出しているそうだ。

 それぞれの装置にいろんな名前が付けられている。「フライパン」「鉄琴階段」「ドライヤー」「磁石」など、装置に何が使われているかがわかるものもあるが、「我が道を行く」「音階」「ブラックホール」など、どのような装置か想像も付かないものも多い。

 いま第1巻の目次を見て気がついたが、並んでいる順番はランダムだ。装置№1から並んでいるわけではない。それに装置№1は見当たらない(第2巻の目次を見たら、№1があった!)。

 幼児向け番組のようだが、大人が観ても面白い!(私だけかなぁ?)

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