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楽曲紹介 - 縁結び

「Mika Type は」の楽曲紹介はいよいよラスト2曲です。
こうして書き進めてみると「過去を昇華した今」と「これから見据えたい未来への今」を盛り込んだアルバムになったんだと感じました。

制作経緯

2007年に人生で青春第二期ともいえる時期がやって来たんですが、その頃に制作した楽曲だとはっきり覚えています。
私が弾き語りを始めた時は大きな挫折をした後の再起だったので、それまでのことを全て封印して一からという覚悟でしたが、それに伴う凄まじい孤独感が数年ありました。そんな中でようやく”音楽仲間”と呼べる人達が出来たのが、2007年辺りです。

ある程度大人になってから仲間が出来る、というイメージが全くなかったので不思議な感覚でしたが、死ぬまで続けたい”音楽”で人と繋がれたことが嬉しくて、この頃は企画イベントをたくさん開催しました。
その中の一つ、シンガーソングライター3人で集まって「縁」というイベントを開催した時に、テーマに沿って制作したのが「縁結び」です。
とにかくこの3人で過ごす時間が楽しくて仕方なくて、それはまあ良く語ったし飲んだし遊んだし、プライベートでもあらゆるイベントを企画しましたね。笑
でもやっぱりまだ若くて、熱くなって語る自分に酔い始めてもいました。
まだ何も成し遂げていないのに、語っているだけでまるで実現したような高揚感があるというか、簡単に不確定な言葉を吐いてはそれを心の底から信じてしまっているような危うさがあったというか。

今きちんと振り返ってみるとひたすら楽しいという感情と共に、早く一人前になりたいという焦り、音楽で生計を立てられるかという不安、才能や人気ある仲間への嫉妬、音楽を仕事にしている先輩への羨望、それでもここまで歌って来れたという自負、自分だって音楽でやっていけるという妙な自信、あれもこれもやりたいという未来に向かう気持ち、仲間と一緒に盛り上がっていきたいと思いながらも先に頭一つ抜けるのは自分でありたいというライバル心、私が先導していきたいという野望みたいなもの、
収まりどころのないヒリヒリとした感情をぜーーーーんぶこの頃に抱えていたんだと思います。

でもだからこそ、この頃にしか出せない歌声というものもあって。
初めてこの曲を披露した日のライブ音源を聴きましたが、意志があるようでいてやっぱり今よりも不安定で、だけどそのすれすれな感じがこの頃の良さとも言えるのかなと思いました。
MCはまぁぁぁぁ喋る喋る。笑
楽曲で伝えたいというより、それを補足するようなことをたくさん言ってましたね。きっと確固たる自信はなかったんだろうし、それでも分かってもらいたかったんだろうし。

やはり表現というものは、その時の状態が全部出るものですね。なかなか誤魔化し切れません。
だから色んな種類の良さも悪さもあって奥深く、一生続けていけるものなんだと改めて思いました。

過去音源

この楽曲も初披露からライブで育てて育てて、ようやくレコーディングしたのが2013年「紫陽花迷路」発売記念イベントの解毒用CDとしてプレゼントした時です。
今回この時の音源を公開しようと思ったのですが、'Mika Type は' で再録した際にあるファンの方から「縁結び、入れちゃったんですね」と淋しそうに言われたのが印象的で、ちょっと考え込んでしまいました。
私にとっては再録したから別物、という感覚でしたが、ファンの皆様からしたら同じ曲なんだよなと。解毒用CDは来場者特典だったので、特典の意味合いが薄れてしまったんだろうなと思いました。申し訳ない。。。

そんな理由もありこの記事を書くのが遅れてしまったんですが、解毒用CDとしてお渡しした時の音源は封印します。
今回は2007年初披露時のライブ音源を聴いて頂きたいと思います。この楽曲紹介シリーズではデモ音源などもご披露していますし、ほぼデモに近い状態なので録音物との差別化は出来るかなと思いました。

そしてこの流れもあるので高めに設定しました。本当に聴きたい人だけに聴いてもらいたいな。
と言いつつ聴いて欲しいような聴いて欲しくないような複雑な心境でお届けします!

ライブの時

もう14年前なんですね、、当然ですがライブ中の記憶は全くございません。笑
MCでは「2日前に作りました」と言ってました。これもまたすれすれ感が。いかにも作り立てだなという印象はありましたが、この当時の思いは詰まっていました。
大人になってから出来た仲間に対して、どんな距離感で接するのが正解かはずっと分からなかった。
楽しいからと近づき過ぎて気持ちが冷めていくのも淋しいし、かと言って時間を共有しないとすぐに離れてしまいそうだし。大切にしたいからこそ長く続けていける距離感とは?と考えていた思いをそのまま歌詞にしました。

だけどこの当時周りにいた仲間10人弱とは離れてしまって、今は1人しか連絡をとっていません。その1人ですら5年くらいは音信不通になっていたりもしました。
やっぱり変わってしまうんですよね、それぞれの気持ちも環境も。離れ始めた時はやっぱりか・・と虚しくもなりましたが、同様に自分自身も変えたいこと、変わりたい部分もあったので、全員が成長する為の必要な期間だったと今は思います。
みんなどこかで元気にしてくれていたら良いですね。

2019年ver.

レコーディング

ここまで読んで頂けた方はお分かりの通り、弾き語りレコーディングはヘトヘトだったんですよ。
私のやり方としてアルバム収録順を先に決めて基本的にはその順番通りにRecしていくので、この楽曲は最後も最後、バンドレコーディングも終えてから録りました。
レコーディング中に「レコーディングしているな」という時と「ライブしているな」という時があって、私はいつも後者の気持ちに持っていくことを目指しています。この時はヘトヘトだったこともあり良いアドレナリンが出ていて、「ライブしているな」の状態で歌えました。
本来はもうちょっとゆったりしたテンポで歌いたかったんですが、前後楽曲を鑑みるとこの速度感で良かったと思います。

なので、せめて1回はアルバム順番通りに聴いてみてくださいねー!!

過去音源と今の比較

今回このシリーズをやってみて全体的に感じましたが、過去と今では歌詞の発音や声の出し方がまず違う、というのが明確でした。
過去の方がリズム重視になっていて、今は恐らくリズムが入ったので言葉の発音を重視出来るようになったんだと思います。
好みもあるので過去音源の歌い方が好きな方もいらっしゃるかと思いますが、自身としては理想に少しずつ近づけているのが分かり嬉しく思いました!

はーーー、さすがに成長したと思いますよ。ここで一旦自分に「よくやった!」と言ってやりたくなりましたね。

そしてここからがまた新たな始まりです。
もっともっとこうなりたいと思う歌声がありますし、年齢と共に調整していかなければいけない事もある。
これまでやって来たことを土台にして、これからも追究しながら楽しんでいきたいと思います。

皆様も是非、聴き手として音楽の沼に絡めとられてくださいね。ふふふふふ。


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