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アルバムコンセプトが出来るまで 「い」編

ご機嫌いかが?小林未郁です。

前回宣言した書きたいことの中から、まずは「Mika Type は」の制作秘話などを綴りたいと思います。
このアルバムコンセプトを説明するには「Mika Type い」「Mika Type ろ」からの流れを説明しないことには辿り着かない個人的感情があります。
そしてこの2作品を一気に書こうと思ったら恐ろしく長くなりそうだったので、1作品ずつ書くことにしました。
暇つぶしにでもどうぞ。

「Mika Type い」

レーベルを立ち上げた5年前、それまでずっとフリーランスで活動して来た私は感覚的に限界を感じていました。
→思えばレーベルを立ち上げることそのものにも長い長いお話があるのですが、それはまた後日。いつかの合言葉キャスでしっかり語りましたね。イニシャルKの面々。笑(以下:K達)

その当時の状況でやれるべきことは全てやり尽くしたのはないか、と。
会社設立で法人にすることで出来得ることが広がると直感的に思い、ちょうどその頃に出会った(というか寄って来た)K達にサポートしてもらい設立に至りました。
→誤解されたくないのでしっかり記載しますが、資本金は代表の私と取締役の2人で用意しました。K達からの資金援助は一切ありません。しかし注釈多いなこの文章。

レーベル立ち上げ第一弾として2枚組のアルバムを制作しようという企画が持ち上がりました。
というのも、シンガーソングライターとしてピアノ弾き語りでの活動、一方でアニメやドラマ、ゲーム曲を歌うボーカリストとしての活動、
それぞれが国内や海外で全く違う形で広がっており、この2つの顔を乖離させたままで活動を続けていくのか?ということも折に触れて考えている状態でしたので、記念すべき第一弾はこれを一つのパッケージにまとめることになりました。
●1枚目 -オリジナル楽曲
●2枚目 -サントラ楽曲
このベースはここで出来上がりました。


そして歌うこと以外の制作全般をお任せし、さぞかし順調に進むだろうと思いきや。
K達!!
まぁぁぁぁぁぁぁ打ち合わせばっっっかり重ねて何も決まらないこと決まらないこと!!
まぁぁぁぁぁぁぁ「バタバタしててさ」ばっっっかりで進まないこと進まないこと!!

これは一体何の修行なの?と思わされる程に無駄な時間を費やした先に、レコーディングがようやく始まった、のに。
15曲のオジリナル曲を収録するにも関わらず、用意された日程はたったの2日。
加えてとあるKが各所の関係者達を怒らせ私が片っ端から謝罪、遂には別のKが制作途中で「もう知らな〜い」と完全にサジを投げる始末。

私はとてつもない業でも背負わされているのですか…?
ねえ、誰か教えて…。

結局はフリーランス時代と変わらず、歌うこと以外のCD制作にまつわる諸々を頑張るはめになりました。
それだけではどうにもならなかったので、私が昔からお世話になっている方に相談し制作に加わって頂き、どうにかこうにかCDを完成させ発売に至りました。
書き進めるごとに当時のモヤモヤエピソードが思い出されます。止まらなくなりそうなのでこの辺りまでで。

発売後に振り返って感じたこと。

最終的には私が人に全部やってもらうことを望み過ぎたのがいけないのです。
その当時は周りの環境に嫌な思いをさせられる事も多々ありましたので、どうにかしてこの憤りを払拭したい、無理矢理にでも現状を変えていきたい、その意地や焦りがありました。
その先に、アーティストは音楽に専念すべき、という昔から音楽業界で言われ続けている呪いの言葉があり、自分もそこに没入すべきだと思ってしまいました。
でもそれこそが私にとっては甘えであり逃げだったと思います。

それは何故なのか。
自身の性格を深く掘り下げた時、そんな焦りやいらない意地だけで誰かに任せ切って制作された音源を、ある種の割り切りで愛で続けることが出来るのか?
音楽に真摯に向き合いこだわりを持って制作するなら、この楽曲たちを最初から最後まで余すところなく面倒見なきゃいけなかったんじゃないの?

ピリピリチクチクした感情を何度も濾過して濾過して、ぽとりと落ちた純度の高い一滴はこれでした。

発売直後は「Mika Type い」のジャケットを見る度に制作時のしんどい思いや怒りが込み上げて来て、悔しさしかありませんでした。
だけど、資料用の数枚を残して盤を売り切った今は、パッケージそのものや楽曲たちに対してごめんねって思います。

本当に、ごめんね。

つづく。

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