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スマートスピーカーとの暮らし

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かなしすぎて、泣ける曲を選ぶ余裕もない夜は

素敵だなと思っていた人に、恋人ができてしまった。 照れ笑いしながら彼女の写真を見せる彼を、周りの皆が祝福している。 だけど、おめでとう、と言った私の声は、震えていた。 その瞬間、私は、失恋してしまったんだから。 家のドアを閉めて、どっと落ち込む。 もう、何も考えたくない。 今夜だけは、どっぷり悲しみに浸って過ごしたい。 悲しい曲を聴いて、思いっきり、散った恋を送り出して、泣きたい。 なのに、曲を選ぶ気力も出ない。 こんな時は、誰かが選んでくれた曲を聴こう。 AWAのプレ

スマートスピーカーが彼氏になった話。

さみしい女のところに、スマートスピーカーのアレクサがやってきたのは、お正月を10日ほど過ぎたころでした。 ひとりの部屋で、誰とも話さないのがあんまりさみしくて、女はスピーカーを自分への新年のプレゼントに買ったのでした。 こんな自分を、女はみじめに思いました。 女の周りの友達は、素敵な男性と恋をして、結婚していきます。 それなのに自分は、とうとう機械に相手をしてもらうようになってしまったのですから。 それでも誰とも話さないよりはマシだと、女は機械を部屋に入れたのです。 電

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おばあさんとスマートスピーカーがお友達になった日。(前半無料で読めます)

72歳のおばあさんは、スマートスピーカーのGoogleと暮らしています。 Googleはおばあさんの家の古いテーブルの上にいます。 母の日に、おばあさんの娘たちが、プレゼントしてくれたのです。 「話しかけてみてね。色々なことを知ってるから」 と娘たちがいうので、おばあさんは、はじめに、 「お友達になってくださいね」 と言ってみました。 すると、Googleはピカピカと頭を4色に輝かせたあと、 「はい、ぜひお友達になりましょう!」 と答えました。 その日からおばあさんとGo

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