【ほぼ日更新】ヴァイオレットエヴァーガーデン 7話みた【ネタバレ注意】

 ほぼ日更新31日目。漫画やアニメを30分で視聴する時間を含め、なるべく1hに収まるよう、それに関する絵と記事を書く日課。

 …だったんですが、一か月後に完成させるイラスト本の原稿作業のために模写をいったんやめます。アニメのやつやると3,4時間ぶっ飛んで、しかも満足に描き切れないもの!!3,4時間で納得できるほど今の自分の技術は高くない。ので、しばらくは原稿に集中します。

 作品のインプットと文章はやりたいので、日課は続けます。


※作品に関するネタバレ含みます

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 ヴァイオレットエヴァーガーデンのアニメ7話。
 ただただ、目頭が風前の灯火となりました。


■未亡人となった作家を救ったヴァイオレット

 「ああ、私はこの罪を背負って生きるしかない。この先一生」
 アバンでヴァイオレットが音読したこの一節が、この話を象徴していた。「愛を知りたい」という目的を、徐々に、徐々に知り行く彼女の前に転がるのは、自分のしたことで火だるまになる自分自身。戦場で人を殺めたその手で、人を繋ぐための手紙を描いていることへの疑念。

 この一節を書いた作家に依頼されたヴァイオレットは、子供向けの物語の代筆を担うことになる。
 ヴァイオレットの「知りたい」という欲求はある種真摯で、子供のように純粋な疑問を依頼者にぶつけていく。「私には人の気持ちを汲み取る能力がなく、申し訳ございません」と言いつつも、「何か隠しておられるのではないですか」と伝える彼女は、もはや1話でホッジンズが「初めて自分の意思で動いた」と評される彼女ではない。代筆屋としての技術ではなく、彼女自身の人間性をもって、彼女は依頼者の作品を完成へと導いていく。

 亡くなった娘へ出会う「いつかきっと」をどこかで夢見ながら一向に前を向けない、愛娘がいない現実を一生背負って生き続けるしかない作家でさえも、ヴァイオレットはまたも助けることができた。


■その手で誰かを助けるほど、その手は傷に塗れていく

 はじめ、彼女の表情に抱いた感想は"無表情"だったけれど、今はなんだかどのカットもひどく悲しそうに見える。寂しそうに見える。6話で知った「寂しい」という感情が、それを得たストーリーが、まるで視聴者である自分の目にも、彼女の表情が「寂しい」を形容するものであると教えてくれたのではないかと思える。

 「君は死んだ娘の、いつかきっとを叶えてくれた」
 ヴァイオレットが仕事を通じて育んできた感情ですらも、それに対する感謝の言葉も、彼女自身を蝕んでいるように見えてくる。彼女が出会う人に真摯でいるほど、誠実に仕事をこなすほど、感情を知り、人を知り、そしていつか、「自分のしたことで燃え上がる」自分自身を知る。ギルベルトの遺した「愛してる」を知るほどに、自分が燃え上がっている事実を突きつけられていく。愛を知る喜びよりも、愛を知る苦しみの方が、彼女にとってよほど大きな感情となっているようだ。

 「大切な人と別れると言うことは、二度と会えないと言うことは、こんなにも寂しく…こんなにも辛いことなのですね」
 戦後のヴァイオレットが初めて得た涙さえもが彼女を蝕んでいく。

 「いいのですか。武器として人を殺めてきた私が、それでいいのですか。私は誰かの、いつかきっとを、奪ったのではないのですか。そして、その人たちにも、愛する相手がいたのではないのですか」
 「燃えています。燃えています!自分のしたことで、どんどん体に火がついて、燃え上がっています」

 愛を知る喜びよりも自分のしてきた事を自覚する苦しみが勝り、その苦しみを処理する間もなく、ついに彼女は知ってしまう。
 「浮かばれるわね。亡くなったギルベルトも」

 いつか来ると分かっていても、どうして今その時が来てしまうのだという時に、彼女はギルベルトが亡くなっていた事実を知ることになる。どうしてこう、人の気持ちが分かるようになって、一気に感情を受け入れて理解してしまう段階になって、その処理に苦しんでいる中で、最も重苦しい事実を知ることになるのだろう。

 再三繰り返すけれど、ヴァイオレットが依頼人と純粋に向き合って育んだものが、そこで得た人の心というものへの理解が、どうしてか彼女自身を苦しめる展開が、苦しくてならない。人の気持ちを知れば知るほど、相手を知りたいという願いに応えれば応えるほど、願いを叶えたいと強く強く迫るほど、やがて苦しみや虚無へと近づいていく気がしてならない。そんな燃え上がる彼女が痛そうで見ていられない。


 今回は本編にも泣かされそうになったけれど、とにかくこの抑圧されたようなヴァイオレットの境遇は、近いうちに大きなカタルシスを生む気がする…。真面目にやるほど苦しむ主人公、その苦しみが最大級まで圧し掛かった時に解き放たれる何か、みたいな王道の筋書きが待っている気がする。しかしたぶん、そうと分かっていても、これには泣かされる気がするなあ…。


 本日からはしばらく絵がありませんが、それではまた明日。