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Just Follow Time - Draw the Emotional【和訳】

誰かが私たちの命を引っ張っていく
どうしてなのかはいつも分からないまま

同人音楽サークルDraw the Emotional
東方アレンジ楽曲の1st AlbumCollapse of the sky”から1曲です。
このサークルの東方アレンジアルバムは、基本フィーチャリングで様々なボーカルを招いており、その誰もが曲に合った歌唱をされている面白いアルバムです。
歌い手の方もいれば今はプロになっている方もいます。

また、以前に紹介・解説した“Draw”を出したサークルの曲となっています。

楽曲全体のプロデュースを手がけているゆよゆっぺ氏は、この時期は特に、
Emotionalなメロディや展開、アップダウンの激しい重量のある音が特徴です。
しかしこの曲は静かで、またピアノの旋律がメインとなり、ヘヴィな音がない穏やかな曲となっています。

そんな曲の中で、
整理できない思いが、滔々を吐きだされるように、流れるように紡がれます。

※公式から音源がアップロードされていないため、
今回は楽曲へのリンク無しです。ご了承ください。


See that emotion
the sky is showing
It’s changing

この感情を見てよ
まるで空模様のように
その彩りが変わる様を

We can’t control time or the clouds that go by in the sky
空を過ぎ行く雲や
流れ行く時間を
私たちには操ることができない

Something takes the reins of our lives
We don’t know why so we look back and sigh

誰かが私たちの命を引っ張っていく
どうしてなのかはいつも分からないまま
その度に振り返っては、肩を落としてしまう

Something takes the reins of our live
We don’t know why so we look up and sigh

何かが命を連れていく
何故なのかは分からないまま
その度に空を見上げて、ため息をつくの

See the sky is making tear drops
They’re not mine

空が涙を流している
私から流れ出るものとは違う涙を

We can’t control our feelings
So just breath
And forget about today

気持ちの整理はつかなくて
いつものように、息を吸っては吐く
今日のことを二度と思い出さないように

Something takes the reins of our lives
“I believe there is another world beyond the sky”

誰が命を引っ張って行く
「空の向こうには新しい世界がきっとあるよ」

Something takes the reins of our lives
Still time goes by and the clouds go by in the sky

何者かが命を連れ去っていく
時間も雲も、ただ流れ過ぎていく

Something knows what we are
And why now is now

何故私たちがここにいるのか
何故こんな今があるのか
知っている誰かがいる

But we don’t know so just follow time
けれど私たちには分からないまま
ただ、時が流れていく

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作詞はこの曲のボーカルを担当されるcalo氏によるものみたいです。
最高に美しいですね。

ゆよゆっぺ氏は死や情景について描くことが多いんですが、
Just Follow Timeも多分に漏れずそうなっています。穏やかな曲ですが、何かが終わりゆくことに対して気持ちの整理が付いておらず、ナーバスになっているように見受けられます。

雲が流れる情景のように時間は流れていく、それを私たちはただ眺めることしか出来なくて、だからこの、空模様のように変わっていく気持ちを制御することなんてできない......

美しい曲で救われない思いを歌い上げるところが素晴らしいですね。サビもキャッチーで思わず口ずさんでしまいます。


あとは......
reins of our livesという歌詞を見て、最初僕は「雲がテーマの曲だしrainのことか......?」と思ったんですが、
reinは「手網」を意味する単語で、
この部分は直訳すると「命の手網」となります。

意訳で「何かが命を引っ張っていく」としましたが、
まるで何者かが手網を引くように、大切なものの命を連れて行ってしまう......
という意味だと推測します。

手網というのは馬や犬、運ばれる対象のものなどに付けられる道具なので、
人の命は、何者かの手に繋がれていて、その者の意思次第で連れて行かれてしまうものだ
と、この曲では捉えられているのでしょう。

死はほとんど約束されているのに時期が不明確で、突然に訪れることも往々にしてあります。
葬儀とは残されて生きていく者のためにある、という言葉もあり、
自分にもいずれ訪れる出来事が大切なものに訪れた時というのは、ある程度整理が必要なこともあります。

空を眺めていたら、雲のように、時間のように、この気持ちのように、
死とは制御できないものなんだ、ということに気付いた......
と、整理の途中で、未だ馳せている死者への想いを綴っているのでしょう。
そうやっていつまでも、後悔やら惜別やらと離れられそうにない。
でも、それでもいいんだと、そういう時があってもよくて、
結局整理がつけられなくたって、誰にも責められないことだと思います。